1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671684
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
上田 和毅 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40160163)
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Keywords | 脱神経 / 神経縫合 |
Research Abstract |
以下の実験モデル(nは各10)を作成した。 (A) ラット脛骨神経を大腿中央部で切断し、切断端間に同側の長さ約1cmの腓腹神経を移植する。左側は近位部のみ縫合し、遠位端は筋肉内に埋没、右側では近位部、遠位部ともに縫合する。2週後に左側のみ開創し、筋肉内に埋没した遠位端と脛骨神経とを縫合する。 (B) ラット脛骨神経を大腿中央部で切断し、同じ部位で神経縫合を行ったが、縫合時期を右側では切断直後に行い、左側では1ヶ月後あるいは2ヶ月後に縫合時期を遅らせた。 両モデルのラットに対し、実験終了後1ヵ月後に大腿部を開創し、脛骨筋からの誘発電位の有無を確認した。また、神経移植部あるいは縫合部より遠位で脛骨神経を採取し、トルイジンブルー染色を行った。左右で結果を比較し、神経再生状態を検討した。 (A) 群では、誘発電位発現率は神経縫合を二期的に行った左側で80%、右側で70%であった。有髄線維の直径の平均値は左右で有意の差は認められなかった。 (B) 群では、誘発電位の発現率は右側では100%であったが、左側は1ヶ月後で80%、2ヶ月後で50%であった。有髄線維の直径の平均値は、1ヶ月後で右側は左側の67%、2ヶ月後で42%であった。 以上に結果からは、まだ本研究の目的である神経切断端の再生能力の持続時間、一期的神経縫合と二期的神経縫合の差に関しての結論は出せない。今後、実験数を増やすとともに、評価期に変化を加えてより厳密な検討を加えてゆく予定である。
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