1999 Fiscal Year Annual Research Report
自家・同種混合培養表皮移植法での自家表皮細胞の希釈限界と生着に関する研究
Project/Area Number |
10671685
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
宇井 謙二 北里大学, 医学部, 講師 (60184909)
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Keywords | 培養表皮 / 移植 / 自家移植 / 同種移植 / 混合培養 |
Research Abstract |
ブタ成獣背部より採取した薄めの分層表皮から表皮細胞を得るために,Dispase(1000U/ml in DMEM)および0.25%のTrypsin溶液を使用し表皮細胞を得た。培養方法は早期提供を考慮して3T3細胞を使用しない無血清培地MCDB153を用いて培養を行う事として,重層化を促進するためにCa濃度を適宜調整した。また更に,培養は細胞数計測の後75cm^2フラスコに2×10^5個/cm^2の濃度で藩種する(藩種した時点でほぼconfluentとなる密度)ことで培養表皮シートの早期作成に望んだが、線維芽細胞の混入は減少したものの6ないし8層の重層化を得るには平均約14日を必要とし,安定したシートとしての培養表皮を得るのは容易でない。そこで,自家表皮細胞モデルは薄めの分層皮膚をDispase処理して表皮層を剥離後Trypsinを用いて単離細胞とした後パーコールを用いて表皮細胞を単離回収し,同種表皮細胞モデルはパーコールを使用せずに初代培養時に3T3細胞との共培養を行い線維芽細胞の排除と表皮細胞の増殖を行なった後にこれらを回収する事で1週間共培養して混合培養表皮を作成した。上記方法で得た細胞から無血清培地を用いて作成した培養表皮を,移植の適応性を確認する目的でヌードマウスの背部に作成した全層皮膚欠損創に移植し,組織学的に観察を行なった。自家同種の表皮細胞比率を1:0から1:15までの範囲で調製したところ移植後2週間の観察で何れの混合培養表皮においても良好な表皮化が確認されたが,移植後の創の拘縮に関しては評価できなかった。今後は長期的な移植皮膚の評価及び創の拘縮の程度等を評価する上でミニブタ成獣への移植を行う必要があるが全層皮膚欠損創への生着率を安定化させるために真皮代替物との併用等の工夫を要すると考えられた。
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