1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織におけるリンパ管の構築とその発生に関する研究
Project/Area Number |
10671706
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571)
大沢 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
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Keywords | 歯根膜 / リンパ管 / 歯周組織 / ヘルトウィヒの上皮鞘 / 歯槽骨 / 三次元再構築 |
Research Abstract |
歯肉のリンパ管は口唇、舌粘膜に較べ分布量が少なく編目が粗で吸収効率が悪い。特に唇側(頬側)は舌側(口蓋側)より少ない。血液循環の停滞している歯肉炎の歯肉では加温によりリンパの流量、吸収の増加が認められた。歯根膜のリンパ管の走行は歯種にかかわりなく歯頚部1/2では歯軸に沿って走り、根尖1/2では編み目状をなしていた。リンパ管の走行は歯根膜の脈管神経隙内を血管と伴行していた。分布量は歯牙の近心側より遠心側に、唇側ならびに頬側より舌側ならびに口蓋側に多い。唇側ならびに頬側においては、歯肉溝上皮下より下行するリンパ管が歯槽骨縁上で歯軸に沿って走るリンパ管と吻合していた。しかし、口腔歯肉上皮下のリンパ管は歯槽骨上をそのまま走行し歯根膜のリンパ管とは吻合しなかった。舌側ならびに口蓋側においては、歯肉溝上皮下より下行するリンパ管が歯槽骨縁上で歯軸に沿って走るリンパ管と吻合し、さらに、口腔歯肉上皮下より下行するリンパ管とも吻合していた。脱灰により酵素活性が低下し反応が認められなくなった顎骨標本をMgを用いて賦活化して5'Naseの酵素組織化学的方法で歯根膜のリンパ管をコンピュータによる再構築で観察し根尖部より周囲の骨中のリンパ管に連絡しているものが大部分を占めていた。
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[Publications] 大澤 得二他: "The structure of the intestitial surfaces of the epithelial basement membranes of mouse oral mucosa,gingiva and tongue."Archives of Oral Biology. 44・3. 587-594 (1999)
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[Publications] 野坂洋一郎他: "The study of the distribution and the structure of lympatic vessels in the periodontium."Sino-Japanese conference on stomatology. 1・1. 251-252 (1999)
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[Publications] 大澤 得二他: "The contribution of Dithiothreitol separation to the morphological studies of the epidermal and the epithelial basement membranes."Connective Tissue. 31・3. 181-187 (1999)
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[Publications] 大澤 得二他: "Distribution of type VII collagen in the epidermal basement membranes of mouse palate,tongue and lip mucosa."Archives of Oral Biology. 44・12. 648-654 (1999)
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[Publications] 奈良 栄介 他: "Enzyme-histochemical demonstration of lymphatic vessels in the golden hamster periodontium:an attempt to rectivate the 5'-nucleotidase activity with Mg++ion supply."J.Electron Microscopy. 49・2. 143-149 (2000)
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[Publications] 藤村 朗: "口腔領域における毛細リンパ管構築"リンパ学. 22・1. 21-26 (1999)