1998 Fiscal Year Annual Research Report
鼓索神経の栄養的機能に関する免疫組織化学的、電顕的研究
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10671728
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
長門 俊一 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80084284)
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Keywords | 鼓索神経 / 神経栄養機能 / 茸状乳頭 / 唾液腺 / 組織分化 |
Research Abstract |
平成10〜12年度にわたる3年計画の初年度の研究として、鼓索神経を切断したラットの茸状乳頭の形態学的変化を、超薄連続切片および免疫組織化学染色標本で観察するとともに、平成11、12年度に計画している研究のための基礎実験として、ラットの茸状乳頭ならびにWeber腺の発生分化過程を形態学的に検索し以下の結果を得た。 1. 脱神経茸状乳頭の変性過程 電顕的には、生後3週および10週に脱神経した茸状乳頭は、術後1週には明らかな萎縮傾向を示し、術後2週にはほとんどのものが糸状乳頭様乳頭に変化していた。しかしこれらの乳頭は、乳頭前面と後面の両上皮細胞列ともに顆粒層を有しており、正常糸状乳頭とは異なる組織構築を示していた。PGP-9.5に対する抗体を用いた神経の免疫組織化学的検索では、術後1週以降の脱神経茸状乳頭に神経線維は認められなかった。一方出生直後に脱神経した場合は、術後1週には多くのものが萎縮あるいは糸状乳頭様乳頭に変化し、術後2週にはほぼすべての乳頭が疑似糸状乳頭(完全糸状化乳頭)にまで変化しており、正常糸状乳頭との鑑別は困難であった。 2. 茸状乳頭およびWeber腺の発生分化過程 茸状乳頭は、舌発生開始後間もない胎生14日に神経とは関わり無く発生を開始するが、神経が舌背上皮下に達するとほぼ時を同じくして茸状乳頭特有の分化を開始し、胎生末期には味蕾の分化開始も明らかであった。Weber腺は、出生直後から離乳期にかけて劇的な分化を示し、構成細胞の種類および構成比が著明に変化した。このことから、ラットWeber腺が、唾液腺の分化と支配神経の栄養的機能の関連を検索するのに、きわめて都合のよい研究対象であることが明らかとなった。
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