1998 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質フォスフォフォリンの発現の細胞環境による調節
Project/Area Number |
10671730
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
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Keywords | 象牙芽細胞 / 象牙質リン・タンパク質 / 象牙質シアロ・タンパク質 / 細胞接着 / 歯髄細胞 |
Research Abstract |
1. 象牙芽細胞培養系の確立 本年度は、象牙質のタンパク質であるフォスフォフォリンの発現を研究するための実験系として、象牙芽細胞様細胞の培養をおこなった。細胞を得るための材料としては、ラット切歯の歯髄を用いた。ラットの切歯は連続的に萌出しつづけるので、その歯髄の中に象牙芽細胞に分化する能力がある細胞が存在することが、期待できるからである。歯髄を酵素処理して細胞を分散させ、遊離した細胞をディッシュ内に播いた。培養は通法にしたがって、血清入り培地を用いておこなった。線維芽細胞様の形態を持った細胞が増殖した。これらの細胞は、高いアルカリフォスファターゼ活性を持ち、細胞の中には突起を持つものも見られた。これらの特徴は、象牙芽細胞様細胞の特徴として知られているものである。 2. 象牙質特有のタンパク質の発現 上記の歯髄由来細胞を用いて、象牙質に特有のタンパク質であるフォスフォフォリンと象牙質シアロ・タンパク質(DSP)の発現を検討した。発現の検出は、RT-PCR法によっておこなった。その結果、DSPの発現は見られたが、フォスフォフォリンの発現は認められなかった。このことは、これらの細胞が象牙芽細胞への分化の途上にはあるが、完全に象牙芽細胞へは分化していないことを示している。今後は、培養条件を検討して、より分化した細胞を得ることを目指したい。
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[Publications] Fujisawa,R.,Kuboki,Y.: "Conformation of dentin phosphophoryn adsorbed on hydroxyapatite crystals." Eur.J.Oral Sci.106:suppl. 249-253 (1998)
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[Publications] Nakajima,T.,Fujisawa,R.,Kuboki,Y.: "A sensitive staining for electrophoresis of acidic dentin protein" Jpn.J.Oral Biol.in press. (1999)
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[Publications] 藤沢隆一: "骨基質タンパク質" 日本臨床. 56・6. 1425-1429 (1999)
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[Publications] 藤沢隆一、久保木芳徳: "顎関節の構成成分、「顎関節疾患入門」(石橋克禮他編)" 永末書店, 3 (1998)