1999 Fiscal Year Annual Research Report
求心路遮断痛に伴う三叉神経感覚核群での侵害受容神経の応答性と転写制御因子の解明
Project/Area Number |
10671738
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米原 典史 大阪大学, 歯学部, 講師 (70124534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郭 哲輝 大阪大学, 医学部, 助教授 (50126570)
竹村 元秀 大阪大学, 歯学部, 講師 (70192169)
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Keywords | アロディニア / 三叉神経核 / 一酸化窒素 / 下歯槽神経 / 抜髄 |
Research Abstract |
本研究は抹消神経損傷に伴い発現する不可解な痛み(持続的疼痛および感覚異常)の発症機序を組織学的、分子生物学的に解明することを目的とし、平成11年度は、平成10年度に引き続き、口腔領域で持続的痛覚過敏を発症する動物の作成および発症機序の解明を目的として研究を行った。 (1)末梢求心路損傷による感覚過敏動物の作成:実験動物としてラットを使用した。求心路遮断痛を発症する方法として、(a)坐骨神経で報告されている神経結紮法を用い、cromic製縫合糸(4-0)で下歯槽神経を緩やかに3カ所結紮した。また他の病態動物として、(b)抜髄動物、(c)顎関節症誘発動物を作成し、各病態動物での痛覚行動の差異を本科学研究費補助金により作製した自動動物行動測定装置により経時的に記録し検討した。 「結果」 下歯槽神経結紮ラットでは、結紮後1週間から2週間にかけて、結紮神経支配部位周辺に対する、ひっかき行動の増加が観察された。またvon Frey hairによる圧刺激に対する過敏状態が観察された。この感覚異常は、三叉神経痛治療薬カルバマゼピンにより緩解された。抜髄動物でも同様、手術2週間以降圧刺激に対する過敏状態が観察された。 (2)三叉神経感覚核群で痛覚過敏に関わる侵害受容神経および受容体の解明:病態動物での感覚異常発症機序を検討するため、歯髄刺激および炎症性刺激に対する三叉神経脊髄路核尾側亜核浅層領域での、一酸化窒素(NO)の動態を検討した。 「結果」感覚異常を伴う病態動物では、NMDA受容体を介するNOの産生・遊離・分解系が活性化をうける可能性が明らかとなった。現在三叉神経脊髄路核尾側亜核浅層領域でのサブスタンスPの変動を検討中である。 (3)痛覚過敏に関わる遺伝子転写制御因子の存在についての検討:平成12年度で検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Yonehara,M.Yshimura: "Effect of nitric oxide on substance P release from the peripheral endings of primary afferent neurons"Neuroscience Letters. 271. 199-201 (1999)
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[Publications] N.Yonehara,M.Yshimura: "Interaction between nitric oxide and substance P on heat-induced inflammation in rat paw"Neuroscience Research. 36. 35-43 (2000)
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[Publications] M.Yshimura,N.Yonehara et al.: "Effect of topically applied capsaicin cream on neurogenic inflammation and thermal sensitivity in rats"