2000 Fiscal Year Annual Research Report
テトラヒドロビオプテリン膜輸送機構と一酸化窒素およびモノアミン性情報伝達の制御
Project/Area Number |
10671748
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中西 信夫 明海大学, 歯学部, 講師 (20118574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 一哉 帝京科学大学, 理工学部, 助手 (00233081)
長谷川 宏幸 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (10092983)
栗原 琴二 明海大学, 歯学部, 助手 (10170086)
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Keywords | tetrahydrobiopterin / nitric oxide / membrane transport / cyclic AMP / cyclic GMP / dopamine / serotonin / vesicular monoamine transport |
Research Abstract |
テトラヒドロビオプテリン(BH4)は細胞の内外においてモノアミン性情報伝達系と一酸化窒素(NO)性情報伝達系の機能を調節する作用を持つ.BH4膜輸送は細胞内外のBH4濃度を左右する最も重要な要因である.これら2つの情報伝達系に対するBH4膜輸送と細胞外BH4の作用について検討し,以下のことを明らかにした. 1.PC12細胞において,BH4生合成を阻害し内在性BH4レベルを低下させた状態では細胞外BH4はNO産生を促進させる.しかし,内在性BH4が通常のレベルで存在するときは細胞外BH4の取り込みは少なく,細胞のNO産生には有意な影響は観察されない. 2.PC12細胞の一酸化窒素合成酵素の発現に対する細胞外BH4の影響は24時間程度の培養では検出されない. 3.NO依存性の生理的現象に対する細胞外BH4の作用についてはまだ明確ではない.BH4はNO生合成を促進するが,産生されたNOの消去にも促進的に作用するため,実験条件の違いが結果に大きな影響を及ぼすためと考えられる. 4.PC12細胞によるドーパミン(DA)生合成,および細胞からのDA開口放出に対する作用についても,NO合成の場合と同様に,内在性のBH4レベルを低下させておいた場合に細胞外BH4の作用が明らかに検出されるようになる. これらの結果から,脳におけるDA開口放出誘導などに見られるように,細胞外BH4が有効な作用を示すのは,生体内で細胞外BH4レベルが低く保たれていることが重要であると推測される.このため,BH4生合成能を持つ細胞による高親和性BH4取り込み機構の存在と,細胞外液中でのBH4代謝機構について検討を行っている.
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Research Products
(1 results)