1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671751
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山本 哲 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90096511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 明彦 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30130131)
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Keywords | 筋受容器 / 咀嚼筋 / 生後発達 / カリウムイオン / イオンチャネル / チャネル阻害剤 |
Research Abstract |
ラット咀嚼筋のbuccal stretch receptor(BSR)を用い、当受容器の閾値および静的感度の成熟に関与するイオンチャネルの種類を電気生理学的方法によって検索するとともに、当受容器の神経終末における各種イオンチャネルの生長過程での分布の変化を免疫組織化学的に検索した。 電気生理学的検索には7〜10週齢のウイスター系ラットから摘出したBSRを用いた。BSRにK^+チャネル阻害剤(tetraethylammonium(TEA)、4-aminopyridine(4-AP)、apamin)を作用させ、ランプ波状伸張刺激に対する応答の変化を記録した。その結果、TEAはBSRの静的応答頻度を全般的に低下させた。また、持続性放電開始の閾値を上昇させ、静的応答の発現を阻止する場合が多かった。4-APはBSRに自発性放電を発現させるとともに、静的感度を著しく低下させた。ApaminはBSRの静的応答頻度を全般的に低下させたが、静的感度には著しい影響を及ぼさなかった。これらのことから、符号化部の遅延整流型K^+チャネルがBSRの静的応答の発現に関与し、A型K^+チャネルが静的感度の修飾に関与していることが示唆された。 K^+チャネルの免疫組織化学的検索には生後10日および6週のラットを用い、A型K^+チャネルに対するAnti-Kvl.4抗体で処理した後、ABC液またはAnti-Rabbit IgGで発色させ、光学顕微鏡で観察した。その結果、生後6週の個体のBSRの軸構造周囲にA型K^+チャネルの陽性像が明瞭に認められた。しかし、生後10日のBSRには陽性像はみられなかった。このことから、BSRの静的感度を成熟させる要因の一つとして、感覚神経終末の符号化部におけるA型K^+チャネルの生長にともなう密度の増大が、関与していることが示唆された。
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