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1999 Fiscal Year Annual Research Report

咀嚼筋筋受容器の機能的成熟に関与するイオン機序

Research Project

Project/Area Number 10671751
Research InstitutionTokyo Dental College

Principal Investigator

山本 哲  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90096511)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 平山 明彦  東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30130131)
Keywords筋受容器 / 咀嚼筋 / 生後発達 / カリウムイオン / ヒアルロン酸
Research Abstract

ラット咀嚼筋のbuccal stretch receptor(BSR)の静的感度は生後2週から4週の間に著しく増大する。この時期はBRSの外嚢が完成し、嚢腔が膨張する時期と一致する。成熟個体のBSRの嚢腔にはヒアルロン酸が充満していることから、成長過程におけるこの物質の増加がBSRの静的感度の発達に寄与することが推察される。そこで本年度は、嚢腔内ヒアルロン酸の出現時期と、この物質のBSRの応答特性への関与を調べた。
ヒアルロン酸の検出には免疫組織化学的方法を用いた。生後1〜10週のウイスター系ラットを麻酔し、咬筋前縁部のBSRを採取した。これをブアン液で固定し、パラフィン横断切片とし、ヒアルロン酸に対するモノクロナール抗体で反応させ、DABで染色し、検鏡した。その結果、ヒアルロン酸の陽性反応は生後1週のBSRでは軸構造の周囲に弱く認められるにすぎなかった。生後2週以後、嚢腔の発達とともに陽性反応は次第に強くなった。こうした経過はBSRの静的感度の発達とほぼ一致していた。
一方、電気生理学的検索には生後8〜10週のラットを使用した。麻酔した動物からBSRを摘出し、その一部分の外嚢を鋭い針で除去した。これをLocke液を満たした小プールに入れ、ランプ波状伸張刺激を付加し、単一感覚単位からの求心性放電を導出した。外嚢の除去のみではBSRの応答特性に変化はみられなかったが、酵素処理によって嚢腔内のヒアルロン酸を除去すると静的感度が著しく低下した。この静的感度の低下は、BSRの神経終末周囲のカリウムイオン濃度を増すことによって回復した。
以上の成績から、ラットのBSRの嚢腔には、個体の生長にともなって次第に陰性荷電をもつヒアルロン酸が増加し、嚢内外に電位差を生じさせるとともに、嚢腔のカリウムイオン濃度を高め、結果としてBSRの興奮性を高めていることが示唆された。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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