1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671753
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
越川 憲明 日本大学, 歯学部, 教授 (80130491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 恵 日本大学, 歯学部, 副手 (90297846)
池田 弘子 日本大学, 歯学部, 助手 (70297844)
三枝 禎 日本大学, 歯学部, 講師 (50277456)
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Keywords | 口腔ジスキネジア / 顎運動パターン / 線条体腹外側部 / 黒質網様部 / 上丘外側深層部 / GABA_A受容体 |
Research Abstract |
口腔ジスキネジアの発現には、大脳基底核におけるドパミン神経系の機能亢進が深く関与すると考えられている。本年度の研究では、その動物モデルとされるラットの線条体腹外側部ドパミン受容体刺激誘発顎運動について、関与が推定されるGABA性遠心投射系の検討を行った。 線条体腹外側部からの直接の投射先である黒質網様部においては、GABA_A受容体アゴニストのmuscimol(25,50ng)をA3.7に位置する背外側部に注入した場合に最も著明な顎運動の発現が認められた。また、この効果はアンタゴニストのbicuculline(150ng)の併用で抑制された。黒質網様部の背外側部からは、さらにGABA性の抑制性投射の一部が上丘に至っているので、上丘でのGABA_A受容体の顎運動発現における役割について検討した。上丘においては、アンタゴニストのbicuculline(50,150ng)をA2.8〜3.0に位置する外側深層部に注入した場合にのみ著明な顎運動の発現が認められた。また、この効果はアゴニストのmuscimol(50ng)の併用で抑制された。発現した顎運動のパターンを解析した結果、これら2つの顎運動は質的に異なるものであることが明らかとなった。すなわち、黒質網様部GABA_A受容体刺激で発現する顎運動は顎二腹筋と咬筋が交互に同程度の活動性を示すのに対し、上丘のGABA_A受容体の遮断で発現する顎運動は顎二腹筋の活動性が優位であった。 以上の結果から、口腔ジスキネジアの動物モデルとされるラットの顎運動発現に関わる遠心投射系は多様であり、黒質網様部からの遠心投射系には、上丘を介する系以外の系も関与することが示唆された。さらに、黒質網様部と上丘にはいずれも顎運動発現に関して機能局在の存在することが示された。
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Research Products
(1 results)