1999 Fiscal Year Annual Research Report
ラット耳下腺腺房細胞の低分子量G蛋白質の同定とその役割
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10671754
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Research Institution | The Nippon Dental University,Niigata |
Principal Investigator |
下村 浩巳 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (40139259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 あかね 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (60180080)
梨田 智子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (10133464)
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Keywords | Exocytosis / parotid / gtp-binding / secretory qranule / Rab26 / VAMP |
Research Abstract |
前年度、ラット耳下腺腺房細胞において、低分子量GTP結合タンパク質、Rab26、およびVAMP2(vesicle associated membrane protein2)は分泌顆粒膜上に存在し、さらに、腺房細胞をisoproterenol(IPR)で処理するとVAMP2は尖端膜近傍の顆粒膜に残存するがRab26は消失することを明らかにした。このことは、Rab26と開口分泌における関わりを示唆した。他方、Rab4は分泌顆粒膜には存在せず細胞膜上に存在する事を明らかにした。本年度は、Rab4の細胞内輸送における役割を明らかにするためにその分布について精査したところ、細胞質、intracellular membranes(ICM)、基底膜および尖端膜に存在することが明らかとなった。また、腺房細胞をIPRやカルバコール(Cch)で処理するとRab4がICMから細胞膜画分へ移動することから細胞内輸送への関与を強く示唆した。まず、Rab4のグルコース輸送体(GluT)との関わりについて検討を開始した。GluTを選択的に認識する抗GluT抗体の調製を種々検討したが不調に終わり残念ながら一時pendingとした。他方、唾液腺細胞に存在する水チャンネルであるaquaporin5も同様にCch刺激によって尖端膜へ輸送されることが報告されているのでその関わりについて検討中である。他方、ラット耳下腺腺房細胞mRNAに対するRT-PCRから、耳下腺にはrabphilin3は存在しないことを明らかにした。IRP刺激によって細胞内Ca濃度が変化することなく分泌が行われることは、耳下腺では神経細胞やchromaffin cellなどCa動員によって膜融合に至る分泌機構とは異なった機構が存在すると考えられ、PRA(prenylated Rab associated protein)を介する分泌の機構を提案した。現在PRAをはじめVAMP2、Rab26蛋白質の調製を一部完了しており、今後リン酸化とそれら蛋白質間の結合を検討する予定である。
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[Publications] N. Yoshie, A. Imai, T. Nashida, H. Shimomura: "Expression, characterization, and localization of Rab26, a low molecular weight---"Histochemistry Cell Biology. in press (2000)
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[Publications] T. Nashida, A. Imai H. Shimomura: "Regulation of ANP-stimulated guanylate cyclase in the presence of Mn in rat ---"Molecular Cell. Biochemistry. in press (2000)
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[Publications] H. Shimomura, A. Imai N. Komine: "Hormonal regulation of phosphodiesterases in the salivary glands"J Nippon Dental University. 3. in press (2000)
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[Publications] N. Yoshie, H. Shimomura: "Characterization and localization ofRab26 in rat parotid gland"J Dent Res(special issue). 78. 340 (1999)
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[Publications] 下村浩巳、今井あかね 梨田智子、吉江紀夫: "ラット耳下腺腺房細胞の開口分泌と Rab26 の局在について"歯科基礎医学会雑誌(抄録). 41. 475 (1999)