1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウス咬筋発生において遺伝子発現を制御する機構の解明
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10671757
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20166763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50288114)
三枝木 泰丈 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (20046113)
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Keywords | マウス / 咬筋 / 後肢筋 / MyoDファミリー / デスミン / 骨格筋クレアチンキナーゼ / トロポニンC / 発生 |
Research Abstract |
目的: マウス咬筋発生において、筋芽細胞決定、筋管形成及び筋線維成熟が起こる時期を決定し、それらにおけるMyoDファミリー(myf5,myoD,myogenin,MRF4)の役割を明らかにすることを目的として実験を行った。筋芽細胞決定、筋管形成、筋線維成熟の時期を決定するため、デスミン、骨格筋クレアチンキナーゼ、トロポニンCをそれぞれマーカーとして用いた。また、得られた結果を後肢筋と比較した。 材料と方法: 胎生11、13、15、17日のマウス胎仔及び新生仔より咬筋と後肢筋を摘出し、RNAを精製し、逆転写を行いcDNAを得た。このcDNAを用いてCompetitive PCRを行い、咬筋及び後肢に含まれるMyoDファミリー、デスミン、骨格筋クレアチンキナーゼ、トロポニンC mRNA量を測定した。 結果および考察: 1) 咬筋、後肢筋芽細胞の決定は胎生11日以前に起こっていることが示唆された。 2) 筋管形成は咬筋、後肢筋で胎生13日前後に始まり、また咬筋の方が後肢筋より筋管形成が遅れて終了していることが示唆された。 3) 咬筋、後肢筋で筋線維成熟は胎生13日前後に始まり、出生時までには完了しないことが示唆された。 4) 咬筋myf5 mRNA量は胎生11日から17日まで顕著に増加していた。この結果は後肢筋の結果や以前に報告された四肢や体幹の筋肉の結果と異なっている。咬筋myr5の役割についてはさらに研究が必要と思われる。 5) 咬筋MyoD,myogeninのmRNA量は後肢筋よりも遅れて減少を開始した。このことは咬筋の方が後肢筋より筋管形成が遅れて完了していることと密接に関係してると思われる。 6) MRF4mRNAは、咬筋及び後肢筋において筋線維成熟が開始した後の胎生15日より発現し始め、出生時まで増加し続けた。これらデータから咬筋、後肢筋ではMRF4が筋線維成熟または維持に関係していることが示唆された。
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[Publications] Ohnuki,Y.,Yamane,A.,et al: "Adaptation of Guinea-pig superficial masseter muscle to an increase in occlusal vertical dimension" Archs Oral Biol.(in press).
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[Publications] Yamane,A.,et al: "Transforming growth factor alpha up-regulates desmin expression during embryonic mouse tongue myogenesis" Dev.Dyn.231・1. 71-81 (1998)
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[Publications] Yamane,A.,et al: "Induced expression of MyoD,myogenin and desmin during myoblast differentiation in embryonic mouse tongue development" Archs Oral Biol.43・5. 407-416 (1998)
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[Publications] Takahashi,K.,Yamane,A.,et al.: "Induction of amelogenin and ameloblastin by insulin and insulin-like growth factors (IGF-I and IGF-II) during embryonic mouse tooth development in vitro" Connect.Tissue Res.38・1-4. 269-278 (1998)