1999 Fiscal Year Annual Research Report
マウス咬筋発生において遺伝子発現を制御する機構の解明
Project/Area Number |
10671757
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20166763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50288114)
三枝木 泰丈 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (20046113)
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Keywords | mdxマウス / 咬筋 / 腓腹筋 / ヒラメ筋 / 横隔膜 / myoD / dystrophin関連遺伝子 / 衛生細胞 |
Research Abstract |
目的: 筋ジストロフィー発症モデルマウス(mdxマウス)咬筋の筋繊維変性の程度は体幹や四肢等の他の骨格筋と比較すると軽いことが報告されている。平成11年度はこの原因を明らかにし、筋ジストロフィー治療法の確立、さらに咬筋における遺伝子発現制御機構の解明の一助とすることを目的として実験を行なった。 材料と方法: 1) 生後6週齢のmdxマウス及び正常マウスより、咬筋、腓腹筋、ヒラメ筋、横隔膜を摘出しブアン固定液により固定後、クリオスタットにより厚さ10μmの切片を作成した。これらの切片はHE染色して顕微鏡観察を行なった。 2) 1)と同様に摘出した咬筋、腓腹筋、ヒラメ筋、横隔膜よりRNAを精製、逆転写後、競合的PCR法を用いてdystrophin関連遺伝子であるutrophin、DRP2及び衛星細胞のマーカーであるmyoD、mMNFのmRNA量を測定した。 結果および考察: 1) mdxマウス咬筋筋線維変性の程度は腓腹筋、ヒラメ筋、横隔膜と比較して軽かった。またmdxマウス咬筋には他の筋肉と比較して中心核多く認められた。このことはmdxマウス咬筋には筋線維再生が活発に起こっているため筋線維変性の程度が軽い事が示唆された。 2) 衛生細胞の分化マーカーであるmyoDmRNA量は咬筋においてmdxと正常マウスの間で差がなかった。このことは1)で観察された咬筋の活発な筋線維再生に衛生細胞は関与していない可能性が示唆された。 3)mdxマウスにおけるdystrophin関連遺伝子(utrophin、DRP2)mRNA量は他の筋肉と比較して大きな差は認められなかった。このことはmdx咬筋においてdystrophin関連遺伝子が補償的に多く発現しているため筋ジストロフィーの症状が軽いという仮説は成立しない可能性を示唆している。
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[Publications] Ohnuki Y.,Yamane A.et al.: "Adaptation of Guine-pig superficial masseter muscle to an increase in occlusal vertical dimension"Archs Oral Biol.. 44. 329-335 (1999)
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[Publications] Amano O.,Yamane A.et al.: "Nerve growth factor(NGF)supports tooth morphogenesis in mouse first branchial arch explants"Dev,Dyn,. 216. 299-310 (1999)
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[Publications] Yamane A.et al.: "Expression of myogenic regulatory factors during the development of mouse tongue striated muscle"Archs Oral Biol.. 45. 71-78 (2000)
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[Publications] Saeki Y.,Yamane A.et al.: "Neurobiology of Mastication-Fiber types and their functional role in mammalian masticatory muscles"Elsevier Science. 9 (1999)
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[Publications] Yamane A.et al.: "Neurobiology of Mastication-Expression of IGF receptors,myoD family,and acetylcholine receptors during the postnatal development of rat skeletal muscle"Elsevier Science. 4 (1999)