2000 Fiscal Year Annual Research Report
マウス咬筋発生において遺伝子発現を制御する機構の解明
Project/Area Number |
10671757
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
山根 明 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20166763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50288114)
三枝木 泰丈 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (20046113)
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Keywords | マウス / 舌筋 / 後肢筋 / アセチルコリン受容体 / α、ε、γサブユニット / シナプス消失 / シナプス転換 / MyoDファミリー |
Research Abstract |
横紋筋細胞発生の初期においてニコチン型アセチルコリン受容体(nAChR)は横紋筋細胞表面に多数存在している。その後横紋筋細胞の発生が進行するとシナプス直下以外に存在していたnAChRは消失する。さらに、この受容体を構成するサブユニットの一つである胎仔型γサブユニットが成熟型εサブユニットに転換される。最近我々はマウス舌横紋筋発生において、四肢など他の横紋筋と比較して筋線維の分化、成熟が早期に起こることを報告した。シナプス形成は横紋筋の分化、成熟と密接な関連があることはすでに報告されているので、我々のデータは、マウス舌横紋筋発生においてシナプス形成が他の骨格筋と比較して早期に起こっていることが示唆される。しかし、マウス舌発生のシナプス形成に関する報告はまだない。よって本研究においては、マウス舌発生におけるnAChR受容体の時間的-空間的な発現を、発生の全期間にわたって発現しているαサブユニットのmRNAの発現レベル、δサブユニットの免疫組織化学的局在性を解析することにより明らかにした。さらにnAChRの転換の時期を明かにするため、εとγサブユニットのmRNA発現レベルを調べた。そして、結果を後肢のものと比較した。その結果以下のことが明らかになった。 1.マウス舌においてnAChRの消失及び転換は胎齢15日より開始され出生時にはほぼ終了していた。 2.マウス後肢においてはnAChRの消失及び転換は胎齢17日より開始されるが、出生時においては完全に終了していなかった。 3.出生時においてマウス舌のシナプス形成がほぼ終了しているのは、マウス舌が出生直後から吸引や嚥下のために機能しなければならないためと思われる。 4.マウス舌及び後肢におけるnAChRの消失及び転換は筋組織の分化、成熟及びMyoDファミリーの発現と関係しているように思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] YAMANE,A.,MAYO,M.,SHULER,C. et al.: "Expression of myogenic regulatory factors during the development of mouse tongue striated muscle"Archs oral Biol.. 45・1. 71-78 (2000)
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[Publications] YAMANE,A.,MAYO,M.and SHULER,C.: "The expression of insulin-like growth factor-I,II and their cognate receptor 1 and 2 during mouse tongue embryonic and neonatal development"Zool.Sci.. 177・7. 935-945 (2000)
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[Publications] OHNUKI,Y.,SAEKI,Y.,YAMANE,A.and YANAGISAWA,K.: "Quantitative changes in the mRNA for contractile proteins and metabolic enzymes in masseter muscle of bite-opened rats"Archs oral Biol.. 45・12. 1025-1032 (2000)
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[Publications] YAMANE,A.,OHNUKI,Y.and SAEKI,Y.: "Delayed embryonic development of mouse masseter muscle correlates with delayed myo D family expression"J.Dent.Res.. 79・12. 1933-1936 (2000)
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[Publications] YAMANE,A.,OHNUKI,Y.and SAEKI,Y.: "Developmental changes of nicotinic acetylcholine receptor in mouse tongue striated muscle"J.Dent.Res.. (in press).