1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671760
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
阿部 公生 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (70076016)
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Keywords | タキキニン / 催唾剤の開発 / ヘプタペプチド / 合成ペプチド / 構造-活性相関 / 唾液 / 漢方薬 / ラット |
Research Abstract |
多くの市販のペプチドを用いたこれまでの研究から催唾活性を示すペプチドはC-末構造がFXGLM-NH2であり、この構造を欠くペプチドには催唾活性が認められないことと投与量を加味したこれまでの研究から、催唾ペブチドのうち催唾活性が最大のものはphysalaemin(physa)であることが明らかになった.そこで、本研究ではphysaのC-末のへプタペプチド(NKFYGLM-NH2)のアミノ酸配列を参考にして、N-Mの各アミノ酸を天然に存在する共通の18個のアミノ酸(Wを除く)にそれぞれひとつずつ置換した126個のへプタペプチドをMultipin法で合成し、これらの一次構造と催唾活性の相関を明らかにした。また、天然に存在するタキキニン11種類も購入あるいは合成し、催唾活性を調べた。さらに、physaのC-およびN-末からNH2やPyrだけでなく、ひとつずつ順番にアミノ酸を削除したペプチド17個も合成し、それらの催唾活性を検索した結果は以下のとうりである。1.C-末のアミド基は催唾活性に必須である。2.7番目のFと置換できるアミノ酸はYのみであったが、置換できたヘプタペプチドの催唾活性は有意に抑制される。3.5、6番目のNとKはいろいろのアミノ酸と置換でき、しかも催唾活性を有意に促進する場合が認められたので、この位置のアミノ酸を工夫する事によりいろいろの催唾剤が開発出来る。4.7-11番目のアミノ酸は置換できるアミノ酸が少なく、しかも促進作用を示す例はほとんどみられない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Abe,K.,Okina,A.et al.: "Abnormally high levels of cystatin S in submandibular glands,saliva and gingiva of plaque-resistant rats" Journal of Dental Research. 77. 1913-1919 (1998)
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[Publications] Gao,C.&Abe,K.: "Structure-activity relationships of sialogogic heptapeptides synthesized newly" Japanese Association for Dental Research. 46. 72 (1998)
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[Publications] 高潮、阿部公生: "タキキニンに類似のペプタペプチドの構造-活性相関" 第12回唾液腺談話会. 12. 10 (1998)
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[Publications] Gao,C.&Abe,K.: "Structure-activity relationship of sialogogic heptapeptides analogous to tachykinins" 3rd China-Japan Joint Conference on Oral Biology. 3. 15 (1998)
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[Publications] 阿部公生,高潮: "催唾剤の開発" 第15回歯科医学を中心とした総合的な研究を推進する集い. 15. 5 (1998)