1998 Fiscal Year Annual Research Report
菌体外ヌクレオチドの口腔細菌による代謝に関する研究
Project/Area Number |
10671764
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
阿部 一彦 東北福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (40151089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 昌子 東北大学, 歯学部, 助手 (30175905)
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Keywords | 口腔細菌 / 口腔レンサ球菌 / Streptococcus sanguis / アンモニア生成 / ミュータンスレンサ球菌 / 5'-ヌクレオチダーゼ / シチジンデアミナーゼ / ヌクレオチド代謝 |
Research Abstract |
口腔レンサ球菌のヌクレオチド代謝について検討した。その結果、Streptococcus sanguis,Streptococcus gordonii,Streptococcus salivaliusでは、無細胞抽出液、細胞膜分画を試料としてヌクレオチド(CMP、UMP,AMP、GMP)からそれぞれに対応したヌクレオシドを生成すること、即ち、5'-ヌクレオチダーゼ活性が認められた。特にCMPに対して親和性が高かった。また、これらの生菌は菌体外のヌクレオチドを分解した。これに対して、Streptococcus mutans,Streptococcus sobrinusなどのミュータンスレンサ球菌では、菌体内に5'ーヌクレオチダーゼ活性が認められたが、細胞膜分画にはその活性が認められなかった。そして、これらのミュータンスレンサ球菌では菌体外のヌクレオチドを分解する活性は認められなかった。 ところで、S.sanguis,S.gordonii,S.oralisの生菌では菌体外のCMPを分解してアンモニアを生成した。これらの菌においてシチジンデアミナーゼは菌体内に認められたが、細胞膜、菌体外には認められなかった。そこでCMPが5'ーヌクレオチダーゼによって分解されたのち、生成したシチジンが菌体内に取り込まれて、菌体内のシチジンデアミナーゼによって分解されてアンモニアを生じたものと考えられた。ミュータンスレンサ球菌生菌ではCMPからアンモニアを生ずることはなかった。 このようにS.sanguis等が菌体外のヌクレオチドを分解してアンモニアを生ずることは、S.sanguis等の生体への為害性を考察するときに重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)