1998 Fiscal Year Annual Research Report
扁平上皮癌細胞のアポトーシス誘導における活性酸素とその消去系の役割
Project/Area Number |
10671769
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
米田 和典 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90182849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
植田 栄作 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00200824)
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Keywords | 扁平上皮癌細胞 / アポトーシス / 活性酸素 / H_2O_2 / Mn-SOD / LAK細胞 |
Research Abstract |
扁平上皮癌細胞をγ線、5-FU、ペプロマイシンで処理した後、IL-2で活性化したリンパ球(LAK細胞)を加えると、アポトーシスがより強く観察された。その理由として、1)γ線および抗癌剤によって、癌細胞表面のFasの発現が高まり、LAK細胞のFas-Lとの間のsignalが強く流れること、2)それに伴い、FADDからcaspase-8、さらにはcaspase-3の活性化は強化されること、が明らかとなった。ところで、LAK細胞によるアポトーシス誘導において、γ線および抗癌剤単独よりもミトコンドリア膜の電位の低下は著明で、チトクロームCの放出も増強されていた。これは、LAK細胞によるアポトーシス誘導においてチトクロームCが一方で関わっていることを示唆しており、興味ある知見と考えられた。さらに、アポトーシスにおける活性酸素とその消去系との関係は、1)細胞内H_2O_2レベルと、誘導されるアポトーシスとは強く相関した。2)H_2O_2レベルとMn-SOD活性は逆相関するが、Cu・Zn-SOD活性はどの細胞株においても一様であり、H_2O_2レベルと相関しなかった。3)GSHおよびペルオキシダーゼ活性とH_2O_2レベルとも相関は認められず、誘導されるアポトーシスとも相関しなかった。これらのことより、γ線、5-FU等とLAX細胞との併用療法の有効性に論拠が与えられると共に、γ線あるいは5-FU、ペプロマイシンによるアポトーシスは産生される活性酸素(H_2O_2)に依存し、活性酸素レベルは主にMn-SODによることが明らかとなった。
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