1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671774
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 大子 (福原 大子) 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00295271)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 浩樹 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10274854)
丸山 征郎 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (20082282)
小椋 正 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00059362)
|
Keywords | 顎関節症 / 血清 / NO / サイトカイン / MRI |
Research Abstract |
本年度は、昨年度資料収集を行った顎関節症患者34名の末梢血から得られた生化学検査値、NO、炎症性サイトカインの数値と顎関節症の臨床症状と関連するのかについて検討を行った。また、炎症性サイトカインと画像検査によって検出されるjoint effusionや骨変化との関連についても検討を行った。 各顎関節症症状(開口障害、顎関節部疼痛、咬筋部疼痛)の有無別では、NO濃度に有意な差は認めなかった。また画像検査によって検出されたjoint effusion、Gd-enhance、復位を伴わない関節円板前方転位、下顎頭の骨変化の有無別でもNO濃度に有意差は認めなかった。しかし、顎関節部に骨変化を認める患者のNO濃度の平均値は8.31μM/mlであり、骨変化を認めない患者の3.90μM/mlと比較して大きい傾向が認められた。 炎症性サイトカインであるIL-1β、およびIL-6は共に20pg/ml以下の検出値であった。TNF-αのみ2名に20pg/ml以上の値が検出された。TNF-αは炎症局所への白血球の浸潤や、軟骨・骨破壊に関与しており、RA患者の結合組織の炎症部位で、線維芽細胞やは骨細胞を活性化し、プロスタグランジンやコラゲナーゼの産生を誘導することが知られている。本研究対象者の中で唯一、下顎頭のerosionを認めた女児は血清中のTNF-α値が著しく高く、末梢血中にも骨変化に関わったサイトカインが検出された可能性が示唆された。
|