1998 Fiscal Year Annual Research Report
扁桃滴下投与による金属アレルギーの実験動物モデルの作成
Project/Area Number |
10671775
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
井上 博雅 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (20137326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50275442)
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Keywords | 金属イオン / ニッケル / チタン / 細胞障害作用 / 破骨細胞 / 細胞培養 |
Research Abstract |
申請者のテーマは,口蓋扁桃投与による金属アレルギーの誘導モデルを作成することである.本年度は最初に細胞培養系で各種金属イオンによる細胞障害作用の生じる濃度を調べるために,以下の研究を行いその結果を報告した. 破骨細胞の新生に対する各種の金属イオンの作用を骨髄細胞培養を用いて調べた. 1. ニッケル,銅,チタン,パラジウム,銀はプロスタグランディンE_2による破骨細胞の形成を阻害し,この順に阻害効果は高かった. 2. 金属が破骨細胞の形成を阻害した際の培養細胞を観察した結果,ニッケル,銅,パラジウムの場合,破骨細胞と間質細胞が共に消失していた.チタンと銀の場合,間質細胞は対照とあまり変わらずに観察された.特にチタンの場合には破骨細胞と思われる崩壊途中の細胞が数多く観察された. 3. 破骨細胞の形成を部分的に阻害する濃度の金属を加え骨片上で細胞を培養した結果,ニッケル,銅,チタン,パラジウム,銀のいずれの場合にも吸収窩の数が対照と比べ減少していた. 以上の結果からニッケル,銅,パラジウムイオンは非特異的に破骨細胞の分化に阻害的に働き,チタンと銀は破骨細胞の分化を選択的に阻害することが示唆された. この結果から,ニッケルによる金属アレルギーは,非特異的に細胞を障害することから始まり,結果的にニッケルイオンも不完全抗原として免疫系を刺激するものと推察される.現在この機序を想定して,ニッケルイオン投与による細胞性免疫誘導条件を実験動物を使って検討している.
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Research Products
(1 results)