1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671784
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
篠原 光子 大阪歯科大学, 歯学部, 助教授 (40067187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 泰孝 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50298816)
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
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Keywords | 糖尿病 / 歯周疾患 / ストレプトゾトシン / 白血球 / 遊走能 / 貧食能 / ラット |
Research Abstract |
糖尿病により白血球の非特異的感染防御機能が抑制されることが、歯周疾患の増悪あるいは難治性の一因になるのではないかと考え、糖尿病がラット白血球の機能にどのような影響を及ぼすのかを検討した。実験には、歯周疾患のアニマルモデルである自然発症歯肉炎ラット(ODUS/Odu)にストプトゾトシンを投与して糖尿病を発症させた実験群と、溶媒のクエン酸緩衝液のみを投与した対照群を作成して用いた。両群の実験開始時、開始後1および3カ月後の各々のラットの血中のグルコース量、インスリン量、歯周ポケットの深さを測定した。またグルコース量とトリグリセライド量、グルコース量とヘモグロビンAICとの関係について検討を加えた。次に両群の各々の時期のラットにミネラルオイルを投与してから4日後の誘導された白血球を用いて、遊走能および貧食能を測定して一連の生体防御反応と糖尿病および歯周疾患との関連性についても検討を行った。実験開始1および3カ月の血中グルコース量は、実験群で460±18、468±16mg/dl、対照群で95±12、93±10mg/dlで実験群が有意に高い値を示した(p<0.001)。血中インスリン量は1および3カ月ともに実験群が対照群より有意に低い値を示した(p<0.001)。歯周ポケットの深さは、実験群の方が対照群に比べて深く実験群においては3カ月の方が1カ月よりも大きい値ゐ示した。実験群および対照群の1、3カ月において、歯周ポケットの深さと血中グルコース量との間には正の相関関係が見られた(p<0.01)。歯周ポケットとトリグリセライドおよびヘモグロビンA1cとの間には各々正の相関関係が見られた(各々p<0.01)。遊走能は実験群の3カ月においては対照群と比較して有意な抑制が見られた(p<0.05)。しがし、1カ月においては有意な抑制は見られなかった。貧食能は実験群の1、3カ月において、対照群と比較して貧食率および貧食度はともに有意に抑制されていた(p<0.001)。
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