1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671805
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Research Institution | NIPPONN DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
江面 晃 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (40130653)
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Keywords | 歯髄石灰化 / カルシウム代謝 / 歯髄腔の狭窄 / 歯髄結石 / 根管狭窄 / カルシウム欠乏飼料 |
Research Abstract |
骨量は加齢とともに減少していく.一方,歯では加齢により歯髄では象牙質粒,石灰沈着によるびまん性石灰化が生じ,根管は二次象牙質の添加により狭窄をきたすなど,骨組織と歯で異なった様相を呈している.われわれの研究では,長期の血液透析患者では骨粗鬆症を併発することが多く,歯では歯髄腔の狭小化と歯髄結石の多発傾向が認められた.その原因の一つとして血液中のCaとPの濃度が関係するものと考えられた.そこで,これを実験的に検証する目的で,14週令のWistar系ラットをCa,PおよびビタミンD欠乏固型飼料で飼育し,Ca代謝と歯髄腔の狭窄について調べ,次のような結果を得た. 1.ラットの体重の変化は,普通固型飼料群(対照群)とCa,P,VD欠乏固型飼料群(Ca欠乏群)の間で,飼育開始10週目まではほとんど差はなかったが,13週頃よりCa欠乏群では体重増加の抑制がみられるようになった. 2.大腿骨の横断末脱灰研磨標本において,10週目では対照群に比べ,Ca欠乏群で骨皮質が粗の部分を多く認めるようになり,この変化は20週目になるとさらに著明となった. 3.血液生化学的検査所見では,10週目では両群間のALP,Caに顕著な差はなかったが,IPはCa欠乏群でやや上昇した.20週目のCa欠乏群では,ALP,Caは低下したが,IPは上昇した.1,25-(OH)_2D_3はCa欠乏群10週目,20週目ともに上昇した. 4.ラット下顎臼歯の未脱灰研磨標本において,Ca欠乏群では対照群とほぼ同様,根管口部での狭窄はほとんど観察されなかったが,歯根中央部根管では狭窄傾向が観察された.同時に象牙質粒が多く観察された.
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