1998 Fiscal Year Annual Research Report
フルオロアルキルシランの歯科修復材料への応用による耐水耐久性向上
Project/Area Number |
10671806
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
山中 秀起 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50182580)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 智太郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (50237781)
|
Keywords | シランカップリング剤 / 耐水耐久性 / 引っ張り接着強さ |
Research Abstract |
本研究の目的は、優れた処理効果と耐水耐久性をもつシランカップリング剤を開発することである。今回は、シラン処理層の耐水耐久性を向上させるために、3-MPSに鎖長の異なるポリフルオロアルキル基をもつ疎水性シラン(Poly(fluoro)alkyltrimethoxysilane)を混合し、これら混合シランで改質したガラス面に対するコンポジットレジンの引っ張り接着強さから耐水耐久性を検討した。方法として、溶剤にエタノールを用い、2wt%各種処理溶液を調製し、接着試験にはガラスプレートを使用した。ガラスプレートは1規定水酸化ナトリウムと1規定塩酸に各一昼夜浸けた後,蒸留水にて水洗し,乾燥した。ガラス表面に各処理溶液を塗布後、穴をあけたテープをはって接着面積を規定しステンレス接着子のメッシュ金属面に化学重合型コンポジットレジンを盛り接着した。これらの試料は、30分間室温中に放置後、37℃水中に2日間保管した群、4℃と60℃の水槽に各40秒間を1サイクルとしたサーマルストレスを1000回を与えた群、さらに前述の群から接着強さを示したシラン混合割合を選び、37℃水中に4週間保管した群とサーマルストレスを28,000回を与えた群の計4群に分けた。引っ張り接着強さの測定はオートグラフAGS-500(島津社製)をクロスヘッドスピード1mm/minで行った。なお、験体数は、全群とも5個とし3-MPS単独として、t検定により危険率0.01で統計学的に検討した。その結果、3-MPSにポリフルオロアルキル基をもつフッ素系シランを混合したカップリング剤で改質したガラス面に対するコンポジットレジンの接着強さは、3-MFS単独に比べ高い値を示した。特に、ポリフルオロアルキル基をもつ鎖長の短いものでは約20〜(社)%、鎖長の長いものでは約5%の濃度でピークが認められた。
|