歯科用チタン合金の口腔内をシミュレートした環境における疲労特性

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10671822
• Research Institution: Tokyo Medical and Dental University
• Principal Investigator: 土居 寿 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30251549)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 米山 隆之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00220773)
• Keywords: チタン合金 / 力学的特質 / 腐食疲労試験 / 歯科鋳造

Research Abstract

歯科チタン合金を臨床に応用していくためには,口腔内をシミュレートした腐食環境中で疲労試験を行う必要があると思われる.そのために,腐食環境をつくるための新しい装置を製作し,実際に腐食環境中で疲労試験を行い,装置の評価とチタン合金の評価を合わせて行う.
本年度は,チタン合金試験片の製作,腐食疲労試験を行った。材料は,Ti-6Al-13Ta合金の試験片を鋳造により製作し,引張試験により機械的性質を調べた結果,Ti-6Al-13Ta合金の引張強さと破断伸びは歯科用チタンとTi-6Al-7Nb合金の中間的な性質を示すことがわかった.これらの結果を元に,Ti-6Al-13Ta合金の疲労試験を行い,チタン,Ti-6Al-4V合金,Ti-6Al-7Nb合金と比較し,疲労特性について検討した.疲労特性については,引張試験においては破断するはずのない,弾性変形領域内でも繰り返し負荷がかかることにより破断することがわかった.Ti-6Al-13Ta合金の疲労特性は,チタンおよびTi-6Al-7Nb合金同様良好であった.

Research Products

• [Publications] 土居寿: "歯科鋳造した純チタン,Ti-6Al-4V合金およびTi-6Al-7Nb合金の0.9%NaCl水溶液中における腐食疲労特性"QDT. 25(10). 107-113 (2000)
• [Publications] 土居寿: "精密鋳造したチタン及びチタン合金の力学的性質と耐蝕性"生体材料工学研究所報告. 34. 24-36 (2000)
• [Publications] 土居寿: "銅を添加したTi-Ni合金鋳造体の引張特性と変態温度"歯科材料・器械. 20(1). 48-53 (2001)