1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋疲労の防止による音声言語障害のための新しいスピーチエイド作製法の開発
Project/Area Number |
10671825
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 健 大阪大学, 歯学部・附属病院, 教授 (90028788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 久永 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80273697)
舘村 卓 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60188266)
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Keywords | 鼻咽腔 / 口蓋帆挙筋 / スピーチエイド / 筋疲労 / 音声言語 / リハビリテーション |
Research Abstract |
健常者を対象に,実験的軟口蓋挙上装置(Palatal Lift Prosthesis:PLP)の軟口蓋部(効果部)の形状を変化させることによる,口蓋帆挙筋活動への影響を検討した.両側の口蓋帆挙筋陥凹の幅径ならびにその陥凹の中心までの長さを有し,軟口蓋を口蓋表面まで挙上する軟口蓋効果部を標準型装置と定義し,それよりも軟口蓋部が,長径の1/2,幅径1/2,水平面に対して-5度の角度を有する装置を作製し,各要素を変化させた際に最も筋活動に対する影響の大きかった要素を検討した.その結果,最も口蓋帆挙筋活動に影響が大きかったものは,長さと角度であり,幅径についての影響は軽度であった.すなわち,発音時における筋活動の予備能を検討したところ,角度と長さを適切に設定した場合には,予備能の大きさは最大になり,長さを短くするか角度を口蓋閉鎖平面に到達させない軟口蓋部では,口蓋帆挙筋活動は大きくなり予備能の大きさは相対的に小さくなった.すなわち,PLPの効果部の形状は活動時における口蓋帆挙筋活動に影響することが示された.このことは,適切に作製されたPLPの効果部(本研究で用いた標準型効果部)は,鼻咽腔閉鎖不全症例における口蓋帆挙筋活動の予備能を最も良好に増大する可能性を示唆しており,さらに筋疲労の軽減効果も高くなることが想定された.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 舘村 卓: "スピーチエイドの鼻咽腔閉鎖機能賦活効果の生理学的背景-鼻咽腔閉鎖不全に伴う口蓋帆挙筋疲労とスピーチエイドによる疲労抑制-"日本口蓋裂学会雑誌. 23・4. 273-281 (1998)
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[Publications] 舘村 卓: "スピーチエイドによる鼻咽腔閉鎖機能賦活効果の生理学的背景-健常者での軟口蓋挙上に伴う口蓋帆挙筋活動領域の変化-"音声言語医学. 40・2. 114-119 (1999)
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[Publications] 舘村 卓: "境界線上の鼻咽腔閉鎖不全状態における内視鏡所見と nasalance score の乖離-Palatal Lift Prosthesis (パラタルリフト) 作成過程に伴う nasalance score の変化"音声言語医学. 40・2. 107-113 (1999)
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[Publications] TACHIMURA T.: "Effect of a speech appliance on levator veli palatini muscle activity during blowing"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 36・3. 224-232 (1999)
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[Publications] 舘村 卓: "脳血管障害・頭部外傷による運動障害性構音障害における鼻咽腔閉鎖機能-口蓋帆挙筋の筋電図による検討"音声言語医学. 41・1(印刷中). (2000)
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[Publications] TACHIMURA T.: "Effect of a speech appliance on levator veli palatini muscle activity during speech"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 37・3(印刷中). (2000)
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[Publications] TACHIMURA T.: "Nasalance score variation in normal adult Japanese speakers of Mid-West Japanese dialect"Cleft Palate-Craniofacial Journal. 37・5(印刷中). (2000)