2000 Fiscal Year Annual Research Report
障害者の歯科治療時におけるリラキゼーションについて
Project/Area Number |
10671828
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
名原 行徳 広島大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (80172576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手島 渉 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50325198)
三宅 雄次郎 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40174148)
|
Keywords | 障害者 / リラキゼーション / テレビ / 音楽テープ / 血圧 / SpO_2 / 歯科恐怖心 |
Research Abstract |
本研究において、広島大学歯学部付属病院におとずれる障害者の歯科の実態を明らかにし、その歯科治療における患者のリラキゼーションが得られる方法の検討を行った。広島大学歯学部付属病院では、障害者手帳(療育手帳、身体障害者手帳)の交付を受けた方を対象として歯科治療を行っている。患者の障害の種類では精神発達遅滞が54.2%ともっとも多く、自閉症20%、脳性麻痺18.0%と続いていた。これを処置内容で検討すると保存処置が57.8%%でもっとも多く、補綴処置22.7%口腔外科処置19.5%と続いていた。これらの処置を行う上で、体動抑制が必要な困難な患者を、少しでもリラックスして診療できるようにするために、テレビや音楽テープによる試みを行った。実際、歯科診療場面でテレビによりアニメなどの番組を流し、血圧やSpO2などの計測を行った。また、患者が好んで聞いている童謡などの音楽テープを聞かせ、血圧やSpO2などの計測を行った。結果として、知的障害者が多い当治療室では、患者がテレビにまったく関心を示さず、歯科治療による恐怖心や疼痛による刺激で血圧やSpO2などの変動を認めた。音楽テープでは、歯科恐怖心はあるが、少しリラックスする反応があり、体動が和らいだ症例も認められた。しかし。血圧やSpO2などの計測では、その効果は言及できないが、歯科治療時におけるリラキゼーション効果を推測できるものと考えられる。 今後、これら歯科治療時における知的障害患者のリラキゼーションを得るためには、音楽テープの検討がさらに必要と考えられた。テレビによるリラキゼーション効果についても、今回はほとんど認めなかったが、診療全体の流れにおいて、患者の行動に何らかの影響を及ぼしていると考えられる。
|