1998 Fiscal Year Annual Research Report
ナノプロープ電顕観察による金属/ポーセレン接合機構の解明
Project/Area Number |
10671832
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 道雄 九州大学, 歯学部, 教授 (30037824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 雅晴 九州大学, 歯学部, 助手 (80172279)
白石 孝信 九州大学, 歯学部, 講師 (10150468)
松家 茂樹 九州大学, 歯学部, 助教授 (00108755)
|
Keywords | 陶材焼付け / 接合機構 / 透過電顕 / FIB / ナノプロープ電顕 |
Research Abstract |
本研究は、金属/ポーセレン焼き付き界面およびその近傍のナノスケールの微小領域の高分解能格子像観察、元素分析、状態分析を行い、金属/ポーセレン焼き付き機構に関する直接的情報を原子のスケールで得ることを目的とする。 本年度は、高周波加熱炉を購入し、市販合金に類似した組成のAu-Pt系合金(86.7%Au-11.0Pt-1.8In-0.3Ir)を溶製した。この合金に市販のポーセレン(デンティン)を焼付け、FIB装置を用いて金属/ポーセレン界面を含む電顕観察用薄膜試料作製を試みた。当初、鋳造により作製した直径3mmの円柱状金属を長軸に沿って2分割し、その面にポーセレンを薄く焼き付け、その面に垂直に薄くスライスした試料からFIBにて薄膜を作ることを計画していたが、FIBによる薄膜試料作製法について調査した結果、ポーセレン側からのイオン研磨は不適当であることが判明した。そこで、溶製した合金を厚さ約0.08mmの薄板に圧延し、その上にポーセレンを焼き付けた試料を作製した。この試料から、厚さ0.1mm程度のスライスを切り出すために、当講座所有のマイクロカッター(Struers社製Accutom-2)を用いたが、刃厚が0.2mmと厚いこと、刃の直径が100mmと大きく、回転時のぶれが大きいことのため、薄いスライスを得ることができなかった。そこで、カッターの刃のメーカーであるDisco社に依頼し、刃厚0.08mm、刃の直径75mmのダイアモンドディスクを作製中である。 本研究は、質の高い透過電顕観察試料を作製する段階が最も工夫と労力と時間を要するステップであると考えられるので、マイクロカッターによるスライスの作製に成功すれば、その後のFIBによる薄膜化、ナノプローブ電顕観察については本学超高圧電顕室の経験を生かすことができると考えている。
|