1999 Fiscal Year Annual Research Report
T,C,M,H波を指標とする顎機能異常者の神経・筋機能評価
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10671835
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橋本 信行 長崎大学, 歯学部, 助手 (50198686)
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Keywords | 機械刺激 / 磁気刺激 / 誘発筋電図 / 咬筋 / 顎機能異常 |
Research Abstract |
本年度は、1)より効果的なT波の誘発方法、2)磁気と機械の同時刺激効果、3)患者群での問題点、について検討を加えた。 1)健常人におけるT波誘発には、頤正中部をトリガーハンマーで叩打するが、その際、頤正中部にターゲットとしての木片を介在・保持させた方が叩打しやすく失敗が少ない事、前方からの叩打以外にも、前上方から後下方に向けてハンマーを振り下ろす方法も有効である事が判明した。本結果は刺激回数の減少に直結し、時間短縮と患者の負担軽減に貢献するものと考えられる。 2)T波は潜時約7ms、持続約8msであったが、C波の潜時は約10ms(N.Hashimoto et.al.,Excerpta Medica ICS1186 Neurobiology of Mastication,p419-421,1999,ELSEVIER)である事を考慮すると、同時刺激を行なった場合には、T波の後半は促通される可能性が残されていた。しかし、予想に反しT波は抑制された。この事は、磁気刺激によって、短潜時の中枢性抑制が出現した、刺激の拡散によって末梢が刺激されて咬筋の伸張を阻害した、等の複雑な因子が絡むものと推定された。 3)患者群の中には、咬頭嵌合位が不明確な者や崩壊している者が存在し、健常者では信頼性の高い本条件下での結果が不安定な場合もあった。従って、何らかのオクルーザルストッパーを付与する等の対策を必要とする場合があり得ると思われた。
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