1998 Fiscal Year Annual Research Report
急速加熱型リン酸塩系埋没材の適合性安定を目的とした硬化膨張早期終了方法の検討
Project/Area Number |
10671838
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
小園 凱夫 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90047811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 清司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60155075)
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Keywords | 歯科鋳造 / 埋没材 / リン酸塩系埋没材 / 急速加熱型 / 硬化膨張 |
Research Abstract |
本研究は、加熱開始時期に左右されない急速加熱型リン酸塩系埋没材またはその操作法を開発することにある。現在のリン酸塩系埋没材は練和開始後20〜30分という短時間で加熱を行うことができるが、この加熱開始時期は硬化膨張の発現中であり、30分を過ぎた加熱開始時期のずれは硬化膨張量、さらには適合性に変動を引き起こすことがわかっている。そこで、加熱開始時期に左右されないために、適合性を左右する硬化膨張を早期に終了させることにより、この改善を試みようとするものである。方法としては、電解水(酸性水、アルカリ水)、硬化調整材、加温などの方法を検討する。現在、コントロールとなる石こう系埋没材5種類について、硬化時膨張、圧縮強さ、稠度、硬化時間におよぼす電解水の影響を調べ、次のような結果を得た。硬化時間はいずれの埋没材においても酸性水の使用により短縮し、アルカリ水ではクリストクィックのみにに長くする傾向が見られたが、他の埋没材ではほとんど影響はみらえなかった。硬化時膨張については、酸性水ではクリストクィックおよびクォーツインベストメントでは硬化促進が顕著で試験片作成ができなくなり、他の埋没材では大きくなる傾向にあった。アルカリ水ではいずれの埋没材でも低下する傾向にあった。稠度については、酸性水およびアルカリ水のいずれの場合も小さくなる傾向にあり、クリストクィック、クオーツインベストメント、クリストバライトミクロの酸性水では著しく、試験が行えなかった。圧縮強さについては、酸性水の場合、クストバライトミクロ、クリストクィック、クオーツインベストメントで低下する傾向にあったが、残り2種には差異はみられなかった。アルカリ水ではクリストバライトミクロで減少する傾向にあったが、他の埋没材では大きな影響は見られなかった。
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