1999 Fiscal Year Annual Research Report
急速加熱型リン酸塩素系埋没材の適合性安定を目的とした硬化膨張早期終了方法の検討
Project/Area Number |
10671838
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Research Institution | KYUSHU DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
小園 凱夫 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90047811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 清司 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60155075)
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Keywords | 歯科鋳造 / 埋没材 / リン酸塩素埋没材 / 急速加熱 / 硬化膨張 / 適合性 / 硬化 |
Research Abstract |
急速加熱型リン酸塩系埋没材の膨張特性ならびにクラウン鋳造体の適合性に及ぼす炉内挿入までの時間の影響について検討を加え、従来型と異なり、急速加熱型埋没材による鋳造体の適合性は加熱開始(炉内挿入)までの時間によって左右され、安定した適合性を得るにはこれら因子をコントロールする必要があることを明らかにしてきた。 今回、加熱開始時期のずれによる適合性の変動を改善するために、急速加熱型リン酸塩系埋没材に対して硬化時の加温処理による硬化挙動とその適合性への影響を検討した結果、次の結論が得られた。 (1)硬化時膨張は加温により早期に立ち上がりはじめるとともに、早期に一定に達する傾向にあった。硬化がほぼ一定になるまでの経過時間や最終膨張量には原液と希釈液では差が見られ、加熱開始時期20分で比べると、原液使用時で45℃加温時に0.24%から0.58%、希釈液使用時で40℃加温時に0.11%から0.55%と大きくなった。 (2)硬化時膨張は希釈液使用時には40℃加温で、原液使用時には45℃加温でメーカ指示の加熱開始時期20分までにほぼ完了できた。 (3)加温処理によって硬化時の鋳型内温度の最高温度は短時間でみられるようになり、その最高温度も高くなる傾向にあり、最高温度は室温時の45℃に対して、50℃加温時に約70℃まで達した。 (4)室温(24℃)時には加熱開始時期の違いにより鋳造体の浮上がりに差が認められたのに対し、40℃加温では差は認められなかった。 以上の結果から、急速加熱型リン酸塩系埋没材の硬化時の加温は硬化を促進させ、希釈液使用時には40度加温で加熱開始時期20分までに硬化膨張をほぼ完了させることが可能になり、加熱開始時期の遅れによるクラウン鋳造体の適合性の変動を抑えることができることが示された。
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