1998 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋下顎障害の診断のための顎関節音分析システムの開発
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10671847
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部・歯科補綴学教室第1講座, 助教授 (50226114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部・歯科補綴学教室第1講座, 教授 (20095102)
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Keywords | 顎関節音 / 頭蓋下顎障害 / 周波数分析 / 顎運動 / 累積周波数値 |
Research Abstract |
顎関節音の診査は、直視が困難な顎関節内部における障害の有無やその程度の診断に際し、重要な情報を提供するものと考えられており、聴診のみならず、電気的に音を採取したり、顎運動との同時記録による分析も行われているが、頭蓋下顎障害(CMD)の診断を確立するまでには至っていないのが現状である。 そこで、本研究では、一般の臨床医でも簡単に顎関節音と下顎切歯点の運動を同時記録でき、また解析に時間を必要とせず、視覚的に顎関節音の発生位置とその性状を知ることができるシステムを開発することにした。 結果は、以下の通りである。 1. 全身および咀嚼系に異常が認められない正常者20名と顎関節雑音を有するCMD患者20名を選択した。 2. 被験者に、開閉口運動を行わせ、下顎切歯点の運動と顎関節音を顎関節音記録・分析システムI装置(申請設備)で同時記録した。なお下顎切歯点の運動は、下顎切歯点に付着したLEDの運動を2次元センサーで記録した。 3. 記録したアナログデータをA/Dコンバータにより、デジタル信号に変換後、コンピューターに保存できた。 4. 顎関節音の発生位置における波形を選択、表示後、必要に応じて波形と表示時間の拡大、縮小を行えるようにできた。また、顎関節音の発生位置を前頭面でみた下顎切歯点の軌跡上に併せて表示できた。 5. 顎関節音の周波数分析を行い、パワースペクトルのパターン、総エネルギー値、累積周波数値等を算出後、ディスプレイに表示できた。これらのことから、視覚的に顎関節音の発生位置とその性状を知ることができるシステムが開発できた。
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