1998 Fiscal Year Annual Research Report
筋圧痛測定システムを用いた各年齢別咀嚼筋の異常部位診断に関する研究
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10671854
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
木村 公一 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (10161556)
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Keywords | 筋圧痛 / 圧痛閾値 / 顎機能異常 |
Research Abstract |
顎機能異常患者の症状のひとつに筋の疼痛があげられるが、この筋痛に対する客観的評価法は確立されていない。そこで申請者は、各個人において痛みの感受性を表す部位といわれる、耳介後部を基準点とした咀嚼筋の圧痛閾値の検討を、本講座で開発したPPT測定システムを用いて進めている。本装置は、筋圧痛計、グリップスイッチ、圧センサ・シグナルコンディショナ、A/Dコンバータをノート型パーソナルコンピュータに一体化したものであり、被験者に座位をとらせ、咬頭嵌合位で軽く咬みしめた状態において、術者が被験者の頭部を固定し圧痛計先端の鋼球を顔面皮膚上の測定部位に押しつけていき、被験者が最初に痛みを感じた時点で被験者自身が手にしているスイッチボタンを離し、そのときの押しつけ荷重量がコンピュータ内に記録保存されるものである。その値を圧痛閾値(Pressure Pain Threshold,以下PPTと略す)と表し、側頭筋前部(Tl)、後部(T2)、咬筋浅層上方(Ml)、中央(M2)、下方(M3)、、咬筋深層(M4)、耳介後部(S)の7部位、両側で14部位におけるPPTを測定している。これらの測定値から耳介後部を基準とする咀嚼筋各部位の圧痛閾値との相関関係について分析し、健常者における正常範囲の決定および顎機能異常患者の異常部位の確定に向けて研究を進めている。そして、現在までは20歳代を主に測定対象としてきたが、疫学におけるマッチングの問題から測定対象の年代を広げ、データを収集中である。 また現在の測定装置では、耳介後部と咀嚼筋各部位の測定は別々に行わねばならず、分析も別個に行っている。今後、各年代の被験者を測定して行くことにより膨大なデータ量が蓄積されることとなるため、測定やデータの収集、保管および分析をより円滑に行うために、測定システムの改良にも着手している。
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