1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉熱刺激時の疼痛閾値および交感神経活動に及ぼすインフォームドコンセントの効果
Project/Area Number |
10671855
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
井上 宏 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30067053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60115889)
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Keywords | インフォームドコンセント / 疼痛閾値 / 指尖部血流 / ストレス |
Research Abstract |
インフォームドコンセントの重要性を明らかにするために,歯肉への疼痛実験を設定し,疼痛閾値および交感神経活動を指標としたストレス反応に及ぼすインフォームドコンセントの効果について検討を行うことを目的として以下の実験を行った. 被験者は本学学生および講座員とし,インフォームドコンセントを行い負荷する刺激内容について説明した群(以下I.C.群)20名と,説明を行わなかった群(以下n-I.C.群)22名の2群に分けた.疼痛閾値の測定は刺激部位を上顎前歯部歯肉とし,輻射熱を利用した痛覚計を用いて各被験者につき3回計測を行った.疼痛閾値は加熱プローブの接触面温度を40℃から加熱し,疼痛発現時の温度とした。また疼痛閾値測定時の交感神経活動の変化はレーザー組織血流計を用いて指尖部血流量の測定を行った. その結果,疼痛閾値の両群の比較に有意差はみられなかったが,n-I.C.群の方が小さな値を示し,疼痛に対する感受性が高くなる可能性が示唆された.疼痛閾値測定時の指尖部血流量はI.C.群,n-I.C.群ともにプローブ接触時から減少し始め,疼痛発現時に最も減少した.これらの変化は1回目の試行時の変化が両群とも著明であったが,n-I.C.群のほうがI.C.群より大きな減少率を示した.また試行回数を経るにしたがって減少率は低くなり,3回目の刺激時には両群は同じ減少率を示すようになった. 以上の結果より,疼痛実験に際しインフォームドコンセントが十分になされず,特に1回目の刺激時には刺激を予期できずに不安が強くなることにより,疼痛の感受性が高くなるとともにストレス反応として交感神経活動が亢進することが示唆された.
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