2000 Fiscal Year Annual Research Report
顎口蓋裂患者の移植骨およびFlapの生死・生存診断-血流量測定とSPECTによる評価-
Project/Area Number |
10671859
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪本 真弥 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90157686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 憲明 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70250800)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
幸地 省子 東北大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (30005045)
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 二次的骨移植 / 骨シンチグラフィー / MRI |
Research Abstract |
顎口蓋裂患者の不正咬合の最先端の治療として、自家腸骨海綿骨細片移植術を施行した顎口蓋裂患者の中で、移植骨の中心部壊死や舌皮弁による顎口蓋裂閉鎖術後に口腔鼻腔瘻が残存する可能性のある裂隙幅の広い難症例で、かつ検査に同意をえることのできた症例を対象に、術後の移植骨の状態やflapの血流について、種々のモダリティー(99mTc-MDPを用いた骨シンチグラフィ、特にdynamic study、SPECT、static image、さらにMRIなど)を用いて術後約一年半の変化を検討し、これまでの研究成果をまとめた。その内容は、以下のごとくである。 1.CTで移植骨の著明な吸収を示した領域は、術後3ヵ月の骨シンチグラフィとMRIでは急性炎症を示唆する所見はみられなかった。 2.CTで著明な吸収を示した領域は、骨シンチグラフィでは術後3ヵ月ですでに集積低下を示しており、経時的にその領域は広がり、明瞭化した。 3.骨シンチグラフィでは、術後1年以上経過しても、吸収された移植骨周囲の歯槽部では集積亢進領域を認め、骨の再構築が起こっているものと思われた。 4.骨移植が成功した部位では、移植骨は術後3ヵ月ごろからその一部が脂肪骨髄へ転化し、約1年後には骨架橋全体が脂肪骨髄へ転化することがMRIにて確認された。 5.骨シンチグラフィは移植骨の生死診断に有用であり、MRIは移植骨の骨化の一指標として有用と思われた。また、両検査はともに術後3ヵ月の時点で移植骨の術後の経過を予測する一助となりうる可能性が示唆され、予後の早期診断に有用であると考えられた。
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