1998 Fiscal Year Annual Research Report
チタニウムインプラント被包化過程におけるマトリックス蛋白と分解酵素の発現動態解明
Project/Area Number |
10671860
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 文度 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (60204492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 明夫 東北大学, 医学部, 助教授 (30133987)
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Keywords | 異物反応 / Matrix metalloproteinase / Tissue inhibitor of metalloproteinase / チタニウム |
Research Abstract |
チタニウムインプラントは顎顔面領域の骨接合術や骨再建術で広く用いられている. これらのインプラント周囲の線維組織はtype 1 procollagen陽性の線維芽細胞が多く認められるfibrogenicな組織であり、tissue remodellingの場であると考えられる.Tissue remodellingは細胞外マトリックス合成系と分解系のバランスにより構築されているとされている. Matrix metalloproteinase(MMP)は細胞外マトリックスを分解する酵素群であり、Tissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP)はその酵素阻害タンパクである.これらの分解酵素と酵素阻害タンパクは、インプラント被包化の成熟および維持に強く関与していると考えられる. これらの発現を免疫組織化学的手法にて解析した.Fibrogenicな組織におけるMMPとTIMPの発現は,線維芽細胞やマクロファージなどの紡錘形細胞と血管内皮細胞・平滑筋細胞において以下の通りであった.MMP-1,MMP-3,MMP-8およびMMP-9は陰性,MMP-2が陽性,TIMP-1およびTIMP-3が陽性,TIMP-2が強陽性であった.Scar like tissueでは線維芽細胞はMMP群,TIMP群のどれも陰性であった. Type 1 procollagenとの二重染色によりMMP-2およびTIMP-2を発現する細胞は活性化された線維芽細胞であることが確認された.また免疫電顕法にてもMMP-2およびTIMP-2を線維芽細胞であることが確認された.CD68との二重染色にてマクロファージの一部も発現していることが観察された.また免疫電顕法にてもこのことが確認された. これらの発現パターンは線維化進展に関連するパターンだと考えられた。 平成11年度はMMP-2とTIMP-2のプローブを用いIn situ hybridization法により,mRNAの発現の確認および発現細胞の同定を実施する予定である.
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