1999 Fiscal Year Annual Research Report
チタニウムインプラント被包化過程におけるマトリックス蛋白と分解酵素の発現動態解明
Project/Area Number |
10671860
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 文度 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60204492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 明夫 東北大学, 医学部, 助教授 (30133987)
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Keywords | 異物反応 / skin flap / チタニウム / Matrix metalloproteinase / B7-2 / Tissue inhibitor of metalloproteinase / ランゲルハンス細胞 |
Research Abstract |
チタニウムインプラントは顎顔面領域において、口腔癌切除後の再建術や下顎骨骨折治療の骨接合術に際して、広く用いられている. これらのインプラント周囲の線維組織は活性化した線維芽細胞が多く認められるfibrogenicな組織であり、tissue remodellingの場である.Tissue remodellingは細胞外マトリックス合成系と分解系のバランスにより構築されている.Fibrogenicな組織におけるMMPとTIMPの発現は、線維芽細胞やマクロファージなどの紡錘形細胞と血管内皮細胞・平滑筋細胞において以下の通りであった.MMP-1,MMP-3,MMP-8およびMMP-9は陰性、MMP-2が陽性、TIMP-1およびTIMP-3が陽性、TIMP-2が強陽性であった.Scarlike tissueでは線維芽細胞はMMP群、TIMP群のどれも陰性であった. 続いて、口腔癌切除後の再建術において、チタニウムインプラント周囲組織をさらに被うようにして用いられる皮弁の反応について検討した。多くの症例で著明な炎症像が観察された。これらの症例では皮弁の表皮に真菌要素Candida albicansが存在した。真皮へ浸潤した主な炎症細胞はCD4^+/CD45RO^+のメモリーリンパ球であった。これらのリンパ球は真皮においてCD1a陽性ランゲルハンス細胞(LC)とクラスターを形成していた。真皮LCの多くはB7-2^+、CD83^+でメモリーリンパ球と密接に接触していた。CD4^+リンパ球のKi-67labeling indexは4.2%で、CD8^+リンパ球の0.8%と比較し高率であった。リンパ管内にも多くの成熟LCが観察された。これらのLCはB7-2^+、B7-1^+、CD83^+であった。ランゲルハンス細胞がインプラント被包化においても重要な役割を果たしてるのではないかと推察された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katou F.,Ohtani H.,Saaristo A.,Nagura H.,Motegi K.: "Immunological activation of dermal Langerhans cells in contact with lymphocytes in a model of human inflamed skin"American Journal of Pathology. 156(2). 519-527 (2000)
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[Publications] Katou F.,Motegi K.,Tagami H.,Shirai N.,Echigo S.,Nagura H.: "Unique inflammatory features noted in intraorally transferred skin flaps : correlation with Candida albicans infection"Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology. 87(6). 676-684 (1999)