2001 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節の病態形成におけるメカニカルストレスの役割に関する生化学的研究
Project/Area Number |
10671863
|
Research Institution | Kyusyu Dental College |
Principal Investigator |
高橋 哲 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60226850)
|
Keywords | 顎関節症 / メカニカルストレス / フリーラジカル / サイトカイン / 滑膜炎 |
Research Abstract |
顎関節症患者の病態形成におけるメカニカルストレスの関与として、滑液中のサイトカインとフリーラジカル(Nitric oxide)の測定を行い、顎関節症患者ではメカニカルストレスに伴い産生されるとされるNitric oxideとその誘導に関与するインターロイキン1などの炎症性サイトカインの存在と、臨床症状、特に関節痛との関連を示してきた。また関節鏡の手術で得られた患者の滑膜組織から、Nitric oxideを誘導する酵素であるinducible nitric oxide synthase (iNOS)の存在を、免疫組織化学的手法によって証明した。 次にこれらのサイトカイン、ラジカルが、関節の病態形成にどのように関与をしているかを調べる目的で、滑液のヒアルロン酸の分子量の測定を行った。その結果顎関節症患者の滑液中のヒアルロン酸の分子量は低下していることが確認され、これらラジカルなどが、潤滑に関与するヒアルロン酸の分解を誘導することが示され、関節円板などの滑走障害を介して病態形成に関与していることが強く示唆され、今後この研究が病態の解明に大きく寄与することが示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Toyosaki-Maeda, T, Takano H, et al.: "Defferentiation of monocytes into multinucleated giant bone-resorbing cells : two-step defferentiation induced by nurse-like cells and cytokines"Arthritis research. 3. 306-310 (2001)
-
[Publications] 大貫敬嘉, 福田雅幸, 関 宏, 船木勝介, 飯野光喜, 高橋 哲: "stuck discを示したクローズドロック患者における治療奏功例のMRIによる評価"日本口腔外科学会雑誌. 48. 75-81 (2002)
-
[Publications] 高橋 哲, 高野裕史: "顎関節痛の治療法"臨床整形外科. 36. 1162-1165 (2001)
-
[Publications] 大貫敬嘉, 福田雅幸, 関 宏, 船木勝介, 飯野光喜, 高橋 哲: "顎関節クローズドロック患者の円板後部組織のMRI低信号の治療前後での比較検討"日本口腔外科学会雑誌. (印刷中). (2002)
-
[Publications] 高橋 哲: "顎関節症の生化学的研究の最前線-顎関節滑液解析の診断および治療への応用-"東北大学歯学雑誌. 59-74 (2001)
-
[Publications] 大貫敬嘉, 福田雅幸, 関 宏, 三好康太郎, 飯野光喜, 船木勝介, 高橋 哲: "顎関節症患者のMR画像における円板後部組織の低信号の評価-鏡視下剥離授動術前後の比較検討-"日本顎関節学会雑誌. 13. 334-339 (2001)