1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671868
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
磯野 信策 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (10168289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 久 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (60180329)
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Keywords | 口蓋裂 / 言語管理 / 語音障害治療 / 鼻咽腔閉鎖機能賦活法 / 吹く訓練 / 構音弁別 / 評価方法 |
Research Abstract |
唇顎口蓋裂患者に対する言語治療としての言語管理と構音障害治療および鼻咽腔閉鎖機能賦活法について効果的な治療技術と評価方法を総合的に体系化することを目的として、初年度である本年では以下にあげた項目について当院言語治療室における方法を検討して整理し、これを映像と音声で記録した。 1. 口蓋形成手術前の言語管理の内容と方法:Hotz床を用いた哺乳指導、および、患児の早期の発達評価と聴力検査が重要であった。 2. 術後の言語管理の内容と方法:鼻咽腔閉鎖機能を早期から定期的に評価する必要があり、方法としては音響解析とNasometerが有効であった。 3. 言語機能の判定時期と判定方法:口蓋形成手術法による差が顕著にみられた。 4. 機能不良例に対する機能訓練の方法:従来から行われている吹く訓練は効果の般化は明らかではなく、構音障害治療と組み合わせることで有効性が高いと考えられた。 5. 構音障害治療法:語音弁別訓練は聞き出しと正誤弁別のみで十分であると考えられた。子音の誘導法は各患児が習得しやすい方法を個別に選択しなければならず、そのために種々の方法を考案した。 6. 機器を用いた訓練方法:低年齢児でも理解しやすい機器としてはNasometerとFlow nasality graphが有用であり、鼻咽腔ファイバースコピーは成人を含む年長患者で効果を認める者があった。 7. 治療成績の評価方法:鼻咽腔閉鎖機能検査から機能を判定する方程式を考案し、多数の症例に用いた結果この有効性が認められた。構音障害治療成績では評価リスト試案を作成して有効性を検討した。
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