1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671886
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡本 正人 徳島大学, 歯学部, 助手 (10243718)
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Keywords | 口腔癌 / IL-6 / 骨浸潤 / 破骨細胞 / 骨吸収 / 遊走能 |
Research Abstract |
初年度、数種の口腔癌細胞株において、IL-6産生能をELISAを用いて蛋白レベルおよび逆転写(RT)-PCR法にてmRNAレベルで検索し、骨浸潤性口腔扁平上皮癌細胞株BHYおよび唾液腺癌細胞株TYSが強いIL-6産生能を有する事が明らかとなった。非骨浸潤性口腔扁平上皮癌細胞株HNTおよび唾液腺癌細胞株HSGはIL-6を殆ど産生していなかった。これら4種の細胞株を使用し、口腔癌細胞由来IL-6の破骨細胞性骨吸収に及ぼす影響をin vitro実験系で検索した。牛大腿骨片とウサギ四肢骨由来破骨細胞を用いた骨吸収窩形成試験で、破骨細胞培養中にBHYまたはTYS培養上清を加える事により、あるいは破骨細胞とBHY,TYSとの混合培養により破骨細胞性骨吸収は著明に増強し、この活性は抗IL-6中和抗体で抑制された。HNTあるいはHSGでは影響は認めなかった。破骨細胞遊走試験において、BHYおよびTYS培養上清は有意に破骨細胞の遊走能を増強させ、これも抗IL-6抗体で抑制された。さらに興味深い事に、BHYあるいはTYSと破骨細胞を混合培養した時の上清は口腔癌細胞の遊走能を著明に上昇させた。混合培養中に抗IL-6抗体を加えた時はこの活性は阻害されたが、上清回収後に抗工L-6抗体を加えた時は効果はなかった。以上の実験から、口腔癌細胞由来IL-6は破骨細胞を局所に遊走、活性化させ骨吸収を増強させるだけでなく、破骨細胞との相互作用で癌細胞の骨吸収窩への遊走にも関与し、口腔癌の骨浸潤に重要な役割を担っている事が示唆された。さらに、口腔癌細胞由来IL-6の骨浸潤に及ぼす影響をヌードマウスを使ったin vivo実験で使用するため、これらの細胞にセンスあるいはアンチセンスオリエントIL-6発現ベクターを導入しIL-6強制発現株およびIL-6ノックアウト株を既に樹立した。
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Research Products
(1 results)