1998 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経切断に伴う有髄神経の中枢投射様式の変化に関する研究
Project/Area Number |
10671892
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
西森 利数 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20112211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 哲也 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (20264369)
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Keywords | 三叉神経 / 有髄神経 / CB-HRP / 三叉神経知覚核 |
Research Abstract |
三叉神経切断に伴う有髄神経の投射様式の変化を検討するための予備実験として、本年度は有髄および無髄神経の三叉神経知覚核群における投射様式について調べた。深麻酔下のラットを用い、三叉神経のうち上顎神経を構成する眼窩神経を露出し、有髄神経に選択的に取り込まれるCB-HRP(コレラトキシンのBフラグメントにHRPが結合したもの)または無髄神経に選択的に取り込まれるIB4-HRP(イソレクチンBのフラグメント4にHRPが結合したもの)を露出した神経に注入し、2-3日後に固定液で灌流固定し、延髄と橋を取り出した。これらの部位の凍結切片を作製し、TMB(テトラメチルベンヂジン)法を用いて反応し、眼窩神経を構成する有髄神経と無髄神経の三叉神経知覚群における投射様式について検討した。 CB-HRPとIB4-HRPの陽性反応は三叉神経知覚群を構成するすべて核において認められた。有髄神経に選択的に取り込まれるCB-HRPの陽性反応は、主感覚核の中位レベルの外側部、吻側核の尾側レベルの背側部、中位核の中央背側部に認められた。尾側核では中位レベルのI、III-V層に陽性反応が認められた。無髄神経に選択的に取り込まれるIB4-HRPの三叉神経知覚核群における陽性反応は尾側核とその他の核で顕著な差異が認められた。尾側核ではII層に限局して強い反応が認められたが、中位核、吻側核および主感覚核での反応部位はCB-HRPのそれとほぼ同じであったがその反応は非常に弱かった。これらの有髄および無髄神経の三叉神経知覚核群への投射様式は電気生理学的研究で得られた結果とよく一致した。これらの結果をもとに、来年度は神経切断に伴う有髄および無髄神経の投射様式の変化について検討を加える計画である。
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Research Products
(1 results)