2000 Fiscal Year Annual Research Report
Adriamycinの下顎・三叉神経末梢への注入実験
Project/Area Number |
10671895
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
川嵜 建治 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (70009653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 寿 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10244394)
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Keywords | アドリアマイシン / 三叉神経 / 三叉神経節 |
Research Abstract |
(A)形態学的研究 (1)ウィスター系ラットを用い、片側のオトガイ孔部で下歯槽神経にアドリアマイシン(ADM)10%,5%,1%,0.5%,0.1%の濃度,10μlを各ラットに注入し、反対側のオトガイ孔部には生理食塩水10μlを各ラットに注入し対照とした。24時間後、7日後、21日後に灌流固定を行ない、三叉神経節を摘出しH&E染色とKluver-Barrera染色にて観察した。その結果、5%以上の濃度のADM注入7日後の三叉神経節の標本で、ニッスル小体の溶解したいわゆるchromatolysisの所見を示す神経細胞体が認められた。更に同濃度の21日後の標本で、神経細胞体に空胞変性や細胞質が喪失し核が濃縮・崩壊して壊死に陥っている細胞が認められた。 (2)ADMの特異的自家蛍光の性質を利用して、ADMの三叉神経節への到達を確認した。 (1)と同様にADMを注入し…12時間後、24時間後、7日後に三叉神経節を摘出し凍結切片を作製し、蛍光顕微鏡にて観察した。その結果5%以上の濃度のADMを注入した三叉神経節の神経細胞体では、12時間後に蛍光を認め、1%では、18時間後に少量の蛍光が認められた。 (3)免疫組織学的検索として、上記(1)同様にADMを注入し、三叉神経節におけるSubstance-Pについて検索してきたが、対照側との有意差を認めず更に実験を行っていく予定である。 (B)電気生理学的研究 5%ADMを上記と同様に下歯槽神経に注入し、24時間後、7日後、21日後にオトガイ神経を剖出し、電気刺激装置を用いて神経を刺激し、誘発された電位を記録した。その結果control群と比較して、注入24時間後から振幅の減少が認められ、7日後では更にそれが著明となり、21日後では、波形はほぼ平坦化した状態となった。
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