1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10671897
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70201465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 武弘 奈良県立医科大学, 医学部, 医員
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20243842)
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Keywords | 口腔癌 / 頸部後発リンパ節転移 / 扁平上皮癌 / 予測因子 / 浸潤様式 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌において、頚部リンパ節転移の有無は予後に非常に大きな影響を持つことは周知の事実である。特に頚部後発転移(潜在性転移)の早期発見と診断精度の向上は、比較的早期の口腔癌の治療成績の改善に大きな役割を果たす。それらの命題を解決するべく、(1)臨床的因子、(2)病理組織学的因子、(3)細胞増殖関連因子、(4)癌(抑制)遺伝子、(5)局所浸潤、転移関連因子、について、転移予測因子の検討をおこなっている。 今年度については、まず、1981年当科開設以来、現在までに経験した口腔扁平上皮癌一次症例にうち、初診時頚部リンパ節転移が認められなかったStageI、II症例についてのデータを集積し、各予測因子の中で、まず、(1)臨床的因子、(2)病理組織学的因子、を中心に検討を行なっている。現在までの検討では、臨床的因子の中では、Stage別や腫瘍の大きさ、腫瘍の口腔内での位置には、大きな関連性は見当らず、腫瘍の肉眼的発育状態、特に内向的発育を示している症例に、リンパ節転移頻度が有意に高いことが認められた。ついで、病理組織学的因子については、各生検組織のHE所見をもとに、Anner oth分類における角化度、核異型度、有糸分裂数、浸潤様式、浸潤程度、腫瘍の厚さなどとの関連について検討を行ったが、特に腫瘍先端部における浸潤様式の違いに強い差が認められ、腫瘍の厚さにおいても15mmを越える比較的厚いものに、頚部後発転移が多い結果を示した。現在は、これら有意差を示した各因子と細胞増殖因子、癌遺伝子、癌抑制遺伝子や浸潤、転移関連因子との関連について、主に免疫組織学的に検討を行なっている。
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