1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の2次元電気泳動(RLGS法)によるゲノム解析
Project/Area Number |
10671899
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
杉村 正仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20028749)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 登 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (20145832)
|
Keywords | 口腔 / 扁平上皮癌 / ゲノム / RLGS / DNA |
Research Abstract |
ヒト口腔扁平上皮癌の遺伝子異常の解析をゲノム2次元電気泳動(RestrictionLandmark Genomic Scanning:RLGS法)を用いて行っているが、まず口腔扁平上皮癌由来の培養細胞株(HSC-2,Ca9-22,HO-1-u-1,KB)について解析を終了した(Oral Oncol.34:508-512,1998)。培養細胞株から得られたゲノムDNAをコントロールである正常の口腔扁平上皮細胞8例と対比させると、約2,000個のスポットのうち各々数十個の増強した変異スポットを見出した。これらのうち少なくとも3株(75%)以上に共通性のある増強スポットは13個あり、このうち4株(100%)とも増強したものは6個であった。推定される染色体は4,6,8,9-12,22番であった。減少スポットについてはコントロールである正常扁平上皮に血管内皮や少量の結合組織が含まれるため検討していない。 一方、手術材料から得られたヒト口腔扁平上皮癌症例の組織も同様に検討しており、現在11例について解析を終了したところである。培養細胞株に比べて共通性のある変異スポット(増強および減少スポット)は更に絞られると思われるが、培養細胞における変化と対比検討するとともに、培養細胞を脱メチル化剤である5-aza-2′-deoxycytidineで処理し、スポットの変動をみることでepigeneticな変化であるメチル化による修飾も現在検討している。 以上の検出された遺伝子変異スポットについては、その染色体番号から変異座位に関連のある既知遺伝子マーカーによる検索(同一検体を用いた免疫組織染色)を行うことで変異スポットの意義を検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Yamamoto,K.,Konishi,N.,Sugimura,M.et al: "Genomic alterations in oral souamous cell carcinoma cell lines detected by two-dimensional gel analysis" Oral Oncology. 34. 508-512 (1998)