1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔の難治性感染症の発症機序:貧食細胞によるアポトーシス好中球の貧食過程の解明
Project/Area Number |
10671907
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅子 昭和大学, 歯学部, 助手 (80286856)
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Keywords | 好中球 / アポトーシス / Fas / 細胞接着分子 |
Research Abstract |
平成10年度は、抗Fas抗体誘導のアポトーシス好中球の細胞接着と細胞接着分子の発現変化について検討し、以下の結果を得た。 【方法】好中球は、ヘパリン加ヒト末梢血よりデキストラン沈降、FiColl-Hypaque比重遠沈法で分離した。混入赤血球は低張液にて溶血除去した。 1. 好中球の抗-Fas抗体(CH-11)誘発アポトーシスについてAnnexin-VおよびPI染色後Flow cytometryで評価した。 2. 蛍光色素(PKH-2)で標識した好中球を抗-Fas抗体で処理後、血清処理スライドガラスへの接着変化を観察した。好中球の接着状態は、蛍光顕微鏡および蛍光光度計で測定、評価した。 3. 好中球を抗-Fas抗体で処理後、細胞表面抗原:CD11a、CD11b、CD11c、CD15、CD18、CD31、CD62Lの発現変化についてFlow cytometryで評価した。 4. 2および3の細胞接着と接着分子の発現をIL-8、LTB_4、PAF、FMLP、PMAの存在下で比較検討した。 【結果】抗-Fas抗体で処理した好中球は、細胞接着を減少した。好中球の抗-Fas抗体処理によって細胞膜抗原のCD11a、CD15、CD62Lの発現は減少したが、CD11b、CD11c、CD18の発現は増加した。CD31の発現に変化はなかった。これらの接着分子の発現変化は、走化因子の存在下でより顕著であった。また、走加因子の刺激後に抗-Fas抗体を加えると好中球のアポトーシスは亢進したが、Fas抗原の発現に変化はなかった。 【結論】好中球における抗-Fas抗体誘発アポトーシスは、細胞接着を調節して急性炎症反応の終息に関与して組織傷害を防御していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)