1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔の離治性感染症の発症機序・貧食細胞によるアポトーシス好中球の貧食過程の解明
Project/Area Number |
10671907
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘樹 秀春 昭和大学, 歯学部, 助手 (70317577)
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Keywords | 急性炎症 / 好中球 / アポトーシス / Fas / カスパーゼ / グルタチオン / FLIP |
Research Abstract |
平成11年度は、急性炎症状態における好中球の抗Fas抗体誘導アポトーシスの感受性の変化について検討し、以下の結果を得た。 【方法】 好中球は、ヘパリン加ヒト末梢血よりデキストラン沈降、Ficoll-Hypaque比重遠沈法で分離した。混入赤血球は低張液にて溶血除去した。好中球は顎変形症患者の術前2日、術後1日、5日に採取した。その際、血奬につても分離、調整した。好中球のFas抗原の発現は、FITC標識抗Fas抗体(UB2)を用いてFlow cytometryで、FLIPの発現は、ウエスタンブロッティング法で分析した。好中球の抗-Fas抗体(CH-11)誘発アポトーシスについてAnnexin-VおよびPI染色後、Flow cytometryで評価し、その際のCaspase活性は、Assay Kitで測定した。好中球及び血奬中のグルタチオンと血奬中のG-CSF、IL-6、IL-8濃度は、ELISA Kitで測定した。 【結果】術後翌日の好中球及び血奬成分は、Caspase-8及び-3の活性低下を伴って、Fas誘導アポトーシスに抵抗性を示した。平常状態と急性炎症状態において好中球のFas抗原やFLIPの発現強度は変化しなかったが、細胞内のグルタチオン濃度に変化がみられた。更に、急性炎症期の血奬成分にグルタチオンとサイトカインの増加がみられ、サイトカインの中和抗体の添加によってアポトーシス抑制効果は減弱した。次に、培養液中のグルタチオン或いはNACを加えると、同様にCaspase-8の上流で好中球のFas依存アポトーシスの抑制が認められた。 【結論】急性炎症期の好中球におけて、細胞内及び細胞外の抗酸化酵素であるグルタチオンがCaspase-8の上流へ作用によって抗-Fas抗体誘発アポトーシスの抑制することが示唆された。
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