1998 Fiscal Year Annual Research Report
進行口腔癌患者に対する超選択的動注化学療法と放射線併用療法-CBDCAの至適投与量の検討ならびに治療効果,QOLの評価-
Project/Area Number |
10671918
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
池村 邦男 産業医科大学, 医学部, 教授 (90038894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 伸二 産業医科大学, 医学部, 助手 (40269072)
大矢 亮一 産業医科大学, 医学部, 助手 (70194313)
|
Keywords | 口腔の進行癌 / 超選択的動注 / CBDCA / AUC / 臨床的評価 / 組織学的評価 / 腫瘍内脈管数 / 白金濃度 |
Research Abstract |
口腔の進行癌(T4,T3)およびT2の一部(最大径が3cm以上または組織学的にびまん性の小胞巣を示す癌腫)に対して,Seldinger法で外頚動脈の分枝へ動注する化学療法(CBDCAを1回動注),放射線治療(過分割,30Gy照射)およびUFT【.encircled?.】R【.encircled?.】(5-FU)を内服する併用療法を行ってきた. 1. CBDCA至適投与量の設定:薬剤の濃度下曲線面積(AUC)を4.5として投与量を設定した当科13名の患者では,CR=11名(85%),PR=2名(15%),NC=0で,治療効果は350mg/mm^2で投与した治療群(15名)とほぼ同等であった.実測AUCは4.4がら8.2(平均6.5)であった.同じ治療法を行った他施設(計18名)では,CR=9名(50%),PR=7名(39%),NC=2名(11%)と劣っており,動注手技の熟達度に関連があるかもしれない.全症例(31例)とも重篤な骨髄障害はなかった. AUCを4.5として設定したCBDCA投与量は比較的安全で,治療効果も劣っていないと思われる. 2. 全症例(31名)の組織学的な治療効果について,大星・下里分類により判定した.G.(Grade)IIa=4,G.IIb=12,G.IIIa-1,G.IVa=5,G.IVb=3,G.IVc=6であり,根治効果を示唆するG.IVは14名(45%)であった.第VIII因子関連抗原染色で脈管数と治療効果の関連を31名の切除標本について調べた結果,G.IVを示した症例では他の群より平均脈管数が有意(p=.0005)に多いことが判明した. 3. 家兎の舌動脈からCBDCAを動注した群(10匹)と,耳静脈からCBDCAを投与した群(10匹)で動注直後の舌の白金濃度を比較すると,動注群は静注群の約17倍の濃度を示した.現在,局所加温装置を用いて,動注時の加温(血管拡張)が白金濃度上昇に有効が否かを検討している.
|