1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗てんかん剤長期投与による歯・歯槽骨の形成障害の実態と実験的発生機序の究明
Project/Area Number |
10671922
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斉藤 峻 東北大学, 歯学部附属病院, 助教授 (90005108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 憲治 東北大学, 歯学部, 講師 (40133988)
斗ヶ澤 真純 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (70271955)
猪狩 和子 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (90125493)
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Keywords | 抗てんかん剤 / 骨減少症 |
Research Abstract |
抗てんかん剤長期投与による歯・歯槽骨の形成障害の実態を調査するために、本学附属病院障害者歯科治療部外来に通院している患者のうち、抗てんかん剤を長期に服用している患者46名に対し、本人あるいは保護者に本研究の趣旨を説明し、同意が得られた者を対象とした。対象者には、問診、口腔内写真、歯列模型、オクルーザルX線写真、手根骨X線写真を資料として採集した。服用薬剤はフェニトイン、ゾニサミド、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン等で複数服用しているものが多かった。X線写真による歯・歯槽骨の骨密度については画像解析装置で測定中である。 一方、動物実験にはWistar系ラットを用い、抗てんかん剤を5週間連日投与した。摘出された骨を軟X線撮影し、軟X線写真を画像解析装置により骨に含まれる骨塩量を測定した。フェニトイン20mg/kg/day5週間連続投与した群では、下顎骨、大腿骨、脛骨の骨塩量が7〜9%減少した。1α(OH)D_3あるいは1α,25(OH)_2D_3の併用投与群では、フェニトインによる骨塩量の減少は有意に抑制された。この抑制は部位により異なり、下顎頭や脛骨近心端のような骨梁骨が多く、骨代謝の回転が比較的盛んな部位ではその予防効果は小さかった。逆に皮質骨を主体とした脛骨骨幹部や大腿骨骨幹部では大きな効果を示した。ゾニサミド投与群では、フェニトインにみられたような骨塩量の減少は認められなかった。今後、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン投与群でも同様の実験を進めて、さらに歯・歯槽骨に及ぼす影響について研究をしていく予定である。
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Research Products
(1 results)