1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗てんかん剤長期投与による歯・歯槽骨の形成障害の実態と実験的発生機序の究明
Project/Area Number |
10671922
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斉藤 峻 東北大学, 歯学部・附属病院, 助教授 (90005108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 憲治 東北大学, 歯学部, 講師 (40133988)
斗ヶ澤 真純 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70271955)
猪狩 和子 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90125493)
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Keywords | てんかん / 硬組織 / 形成障害 / 抗てんかん剤 / 骨塩量 |
Research Abstract |
抗てんかん剤長期服用による硬組織(骨・歯・歯槽骨)の形成障害の実態を調査するために、本学附属病院障害者歯科治療部外来に通院している患者の中から、抗てんかん剤の服用者を選択し、本人あるいは保護者に本研究の趣旨を説明し、同意が得られた14人を対象とした。対象者の性別は女性11人、男性3人であった。年齢は11歳から28歳で、平均年齢は19.6歳であった。歯・歯槽骨の形成状態の評価にはオクルザールX線写真を用いた。全身の骨形成状態の評価には手骨X線写真から右側第中手骨の骨塩量をCXD法により測定した。 抗てんかん剤の服用期間は11年から20年以上に亘っており、長期になるにつれて、骨塩量の低下は明確になった。歯と歯槽骨の形成状態の評価は手骨と同様に、アルミステップを置いたオクルザールX線写真から試みたが、歯槽骨の場合は厚みが個人によって異なり、また、規格化されたX線写真撮影法が確立されていず、方法論的に困難であることがわかった。歯の場合はフィルムが歯から離れるため、像が鮮明ではなく、客観的数量化は無理であった。動物実験では抜去して薄切研磨標本を作製して軟X線写真より歯の石灰化度を測定する方法があるが、臨床では整合性に欠けるので不可能である。しかしながら、歯槽骨における骨塩量の増減は手骨のそれと連動するものと思われ、また、歯の形成は第二大臼歯の場合、歯冠は7〜8歳、歯根は14〜16歳でそれぞれ終了してしまうが、低年齢時から長期にわたって抗てんかん剤を服用している場合は歯の形成を障害していることが予想される。抜去せずにX線CT等、他の方法で測定する方法をさらに検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)