2000 Fiscal Year Annual Research Report
パターンマッチング法により求めた頸椎年齢を成熟度指標とする下顎骨成長予測法の確立
Project/Area Number |
10671924
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 亨至 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10205916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下平 博 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (30206239)
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Keywords | 頸椎 / 成熟度指標 / 下顎骨 / 生理的年齢 / パターンマッチング / 成長予測 |
Research Abstract |
本年度は,計測学的手法による頸椎年齢の確立とパターンマッチングを用いた手部X線写真からの骨年齢の自動推定を行った. (1)計測学的手法を用いた頸椎年齢の確立 成長期の女子のセファロを用い,画像上の頸椎の各部を計測し,その計測値それぞれに対する比率を求めた.求められた比率をパラメータとして,頸椎年齢を求めるための重回帰式を求めた.求めた重回帰式を検討するために,別資料のセファロおよび手部X線写真を用い,頸椎年齢および骨年齢を算出し,頸椎年齢と骨年齢,頸椎年齢と暦年齢の相関係数を求め,各相関係数間の比較を行った.その結果,頸椎年齢と骨年齢との相関係数は,暦年齢との相関係数よりも有意に高かった.次に,下顎骨残余成長量の予測に対する検討を行った.初診の暦年齢が7〜12歳であり,成長終了後の資料が存在しており,顎整形力を適用していない女子のセファロを用い,初診時の頸椎年齢と下顎骨残余成長量を求めた.その結果から,下顎骨残余成長量を目的変数に,頸椎年齢を説明変数にして下顎骨残余成長量予測式を完成させた. (2)パターンマッチングを用いた手部X線写真からの骨年齢の自動推定 パターンマッチングを頸椎年齢に応用するために技術的な検討をするため,手部X線写真からの骨年齢の自動推定の検討を行った.橈骨と第3基節骨を対象として骨端骨と骨幹の画像を抽出した.骨年齢の推定は,骨年齢の未知な手部X線写真の画像と,参照パターンとのパターンマッチングによる類似性の比較によって行った.参照パターンは,骨年齢が専門家によって予め付与されている大量の画像によって構成した.その結果,個々の骨による骨年齢推定実験では,最もデータ数の多い9〜13歳にかけて良好な結果が得られ,2個の骨による骨年齢推定実験を行った結果,さらに推定精度が向上した.この技術が頸椎年齢の推定に応用できることが確認された.
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