1998 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における歯・歯周組織・義歯・口腔細菌と嚥下性肺炎との関連
Project/Area Number |
10671939
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
齋藤 俊行 九州大学, 歯学部, 助手 (10170515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 明人 九州大学, 医学部, 助手 (50291521)
嶋崎 義浩 九州大学, 歯学部, 助手 (10291519)
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Keywords | 嚥下性肺炎 / 歯 / 歯周炎 / 義歯 / 高齢者 / 口腔 / 細菌 / 発熱 |
Research Abstract |
高齢者の死因のうち肺炎によるものは悪性腫瘍や虚血性心疾患に比べてはるかに多く、その多くは口腔や咽頭に存在する食片、歯垢、唾液などの誤嚥により口腔内の常在菌が気管支内に入り込む嚥下性肺炎と推測され、口腔ケアとの関連が注目されている。ADL(日常生活動作)の低下に伴い口腔内の清掃状態は劣悪になるが、う蝕や歯周病による歯牙の部分的な欠損がさらにこれを悪化させる。本研究は、各々のADLおよび口腔内の状態と肺炎との関連を明らかにし、肺炎の予防対策を立案することを目的とする。 福岡市内の原土井病院の医師らの協力を得て、現在、療養型病床群に入院中の高齢者の口腔診査を実施中である。う蝕、歯周疾患(歯周ポケットおよびアタッチメントロスの測定)、補綴物の種類、口腔内の歯垢や食渣、舌、口蓋などの口腔粘膜の汚れ、義歯の種類、義歯の清掃状態、口腔や義歯の清掃に関する看護婦の関与等についての調査を継続的に実施している。 肺炎を客観的に示す指標としては発熱を検討している。すなわち、これらの患者さんの入院中の各種の検査結果のうち特に発熱のあった者について、発熱の状態、細菌検査の結果、ADL、摂食状況等について、医師と看護婦の協力を得てデーターベースを構築中である。 次年度はこれらのデーターベースをもとに、さらに過去の発熱の状況と、口腔の状況のうちどのような 因子が肺炎の発病と関連しているか、また患者のADLの程度によってその関連がどのように変化しているかを明らかにする。 さらに口腔診査を実施した患者をプロスぺクティブに追跡し、発熱を生じた場合は血中の細菌検査を行い、同定された細菌が口腔内のどのような部位に起因するかを調べる予定である。
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