1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔疾患モデルマウスを用いた歯の形態分化に関与する遺伝子の特定
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10671955
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
前田 隆秀 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70130599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝田 芳信 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (20184145)
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Keywords | ELマウス / 欠如歯 / 遺伝的交配 / MIT marker |
Research Abstract |
第3臼歯に欠如歯を有するELマウスと欠如歯が認められない野生型マウスであるMSMマウスとの遺伝的交配実験を行ない、F2 intercrossおよびbackcrossマウスを作成した。 (1)(ELxMSM)×(ELxMSM)ならびに(MSMxEL)×(MSMxEL)の交配から110匹のF2 intercrossマウスが得られ、そのうちの10匹に欠如歯が認められた。F2 intercrossマウスにおける出現頻度は約9%であった。また、親系であるELマウス(10匹)では第3臼歯が4本欠如し、MSMマウス(10匹)では欠如歯は認められなかった。さらに、(ELxMSM)および(MSMxEL)のF1マウス21匹では欠如歯が認められなかった。 (2)(ELxMSM)×ELの交配から64匹のbackcrossマウスが得られ、そのうちの7匹に欠如歯が認められた。Backcrossマウスにおける出現頻度は約11%であった。また、親系であるELマウス(3匹)は第3臼歯が4本欠如し、MSMマウス(4匹)では欠如歯は認められなかった。さらに、F1マウス(ELxMSM)11匹では欠如歯が認められなかった。 以上の結果から、欠如歯成因には遺伝的要因の関与が大きく、遺伝形式は劣性であることが強く示唆された。しかしながら、backcrossマウスでの欠如歯出現頻度が低値を示したことから、関与する遺伝子がホモ接合であるとき、第3臼歯は欠如歯となるか、あるいは矮小歯となるという2つの表現型を有する可能性が示唆された。 (3)ELとMSMマウス間のpolymorphismを有するMIT markerの検出を進めており、現在までに1番から19番染色体すべてに2〜6個のmarkerを設定した。今後検出したinformativeなMIT markerを用いた連鎖解析を行なう予定である。
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Research Products
(1 results)